映画「博士の異常な愛情」 ―ただの反核映画ではない―


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アマゾン・DVD「博士の異常な愛情」



  邦題: 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか

  原題: Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb

 公開年: 1964年

収録時間: 95分

IMDb評点: 8.5

私的評価: 7.6

ジャンル: コメディ、戦争

 出演者: ピーター・セラーズ

  監督: スタンリー・キューブリック







ブルーレイ画質は昔の作品としては悪くないのですが、もう少しクリアだとより満足でしたね。


高画質・高音質のおかげで集中してみれたせいなのか、自分が年輪を重ねたせいなのか、ブルーレイ版鑑賞後は以前と違った印象をもってしまいました。


恐怖を克服する手段に同じ恐怖を使う以外の方法がない限り、核はなくならないと思いますが、本作内においては、その方法は狂うことしかないといっているようにみえたのです。


登場人物で恐怖を感じていない者はみな狂った連中です。


しかし、核という恐怖をなくすには狂うしかないとすれば、それは現実的にはありえない選択肢なのですから、つまりはこの恐怖と人類はつきあい続けるしかない、その冷厳な事実から逃げられない、本作からはむしろそのことをこそ、強く感じるのです。


ラストシーンはもっともありえない展開ですが、もっとも現実的です。これをストレートに感じさせる内容であったら、それこそ気がめいるものになったでしょう。


だからこそ、コメディというオブラートが必要だったのではないでしょうか?


かなり怖い作品だと思います。








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