映画『LUCY/ルーシー』  ―不条理映画の不条理レビュー―


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  邦題: LUCY/ルーシー

  原題: Lucy

 公開年: 2014年

収録時間: 89分

IMDb評点: 6.4

私的評価: 5.3

ジャンル: アクション、SF、スリラー

 出演者: スカーレット・ヨハンソン、モーガン・フリーマン

  監督: リュック・ベッソン







『AKIRA』『2001年宇宙の旅』『マトリックス』『攻殻機動隊』など著名なSF作品の影響が色濃く及んでいるような映画ですね。


そして、あまりに科学的にいいかげんであることで酷評されている作品です。


ただデタラメが当たり前ともいえるSFアクションの分野ですし、そもそもSFに限らずフィクションは基本的に何でもありの世界です。


実名や実際にあるものは別として、「存在しないものに関しては何を言っても正しい」のです。


実写作品だからけちをつけられやすいということもあるでしょう。これがアニメであれば文句をいう人は少ないはずです。まあ最近のVFXやCGだらけの映像を見ると何が実写だかアニメだか分かりませんが。


しかし人によって許容範囲に違いはあるわけで、私が望まないのは感動できない場合や、バランス感覚のないものですかね。


残念ながら本作は好みではありませんでした。


リュック・ベッソン監督はパワフルな女性キャラが好きなようですが、スカーレット・ヨハンソンによる本作の主人公は『フィフス・エレメント』のミラ・ジョヴォヴィッチに近い印象です。


ああいう未来ものなら問題なかったんでしょうが、現代の物語としてはぶっ飛び過ぎでしたね。バランスが悪い状態に見えました。


ストーリー的にも感動を呼ぶものではなかったというのが正直なところです。


ただこれほどまでのやりたい放題は珍しいですから、まさに珍品といえるでしょう。


人間の能力は無限であるというメッセージがありそうなお話ですが、映画の可能性もまた無限であることが伝わってくる気もしますし、その意味では傑作といっていいかもしれません(^^)。


評判はともかく興行的にそれなりの成功を収めていますから、商業映画としては合格ということになりますしね。


こんなにばかげたものを平気で製作できることに感心しちゃったり……あれ、珍品・傑作・成功・合格・感心等なかなかの言葉が並んでしまいましたね。


これはいかんぞ、ん、でもそんなにいかんことなのか?


なんだかまるで文章がまとまってこないな……というわけで鑑賞後心に浮かんだことを、まとまりなくつづってみると――


「爽快な悪酔い気分」「笑い怒る脳みそ」「満たされない満腹感」「雨の日のひなたぼっこは最高」「生きてるって死にたくなるほど素晴らしい」


――こんな感じでしょうかね。そうそう、そんな感じです。






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