最初にBDの字幕と吹き替えを、次に本文を、最後に同BD収録の英語字幕を紹介する。英語字幕は実際の発音と違う場合もあるが、画面表示通りにしている。
コッポラ「 」とあるのは、フランシス・フォード・コッポラ監督著
『The Godfather Notebook』からの引用である。
シチリアに逃亡中のマイケル
【字幕】
マイケルが護衛の2人とハイキング中、車が近くに止まり、庇護者のドン・トマシーノが姿を見せる。
トマシーノ「なぜ、こんな遠くまで? 何かあったら、私が困る」
マイケル「彼らがついてる」
トマシーノ「だが、危険だ。ソニーから連絡が入ったよ。敵がここを見つけた」
マイケル「いつ帰れるか言ってたかい?」
トマシーノ「まだだ。しばらくのガマンだよ。これから、どこへ?」
マイケル「コルレオーネ村だ」
トマシーノ「じゃあ、この車で」
マイケル「歩くよ」
トマシーノ「気をつけてな」
首をひねるトマシーノ。
【吹き替え】
マイケルが護衛の2人とハイキング中、車が近くに止まり、庇護者のドン・トマシーノが姿を見せる。
トマシーノ「マイケル、どうしてこんな遠くまで来たんだね? 私はあんたを預かってる責任がある」
マイケル「ええ、ボディガードもついてますから」
トマシーノ「それにしても出歩くのは危険だ。ちょうどニューヨークの兄さんから知らせがあってな。この居場所が敵にばれたって」
マイケル「他に何か言ってました? 僕がいつ帰れるとか」
トマシーノ「いやそれは何も言ってない。今しばらくは考えない方がいいだろう」
マイケル「ありがとう」
トマシーノ「どこへ行くつもりだ」
マイケル「コルレオーネ村へ」
トマシーノ「じゃあ、この車で行きなさい」
マイケル「ああ、いや、歩きたいので」
トマシーノ「気をつけて!」
首をひねるトマシーノ。
コッポラ「マイケルが退屈でじっとしていられない様子を描こう。どんな状況なのか興味深いものでなくては。彼は何かが起こるのを欲しているのだ」
原作ではシチリアへ逃亡後、7か月が経過したとなっている。
相当の時間であるため、どうにも刺激が欲しくてたまらない状態だったようだ。
アポロニアと恋に落ちたのもそれが一因かもしれない。
ビデオ商品のオーディオコメンタリーで、コッポラ監督がアル・パチーノをキャスティングした理由を語っている――
「マイケルが2人の男と歩くこの場面だが、原作を読んだ時点で、私はアル・パチーノを思い浮かべた。このシーンの彼の表情までもね。だから他の俳優を使えとの圧力にも屈しなかったよ。ロバート・エヴァンス(プロデューサー)のお薦めは、ロバート・レッドフォードとライアン・オニールだ。だが私はシチリアでのアルを思い描き続けた。“金髪でもいける”とも言われた。確かに金髪や赤毛のシチリア人もいるが、私が欲しかったのはこの若者の顔だ。アルの顔は典型的なんだ。シチリア人の中でもさらに伝統的な顔だ」
ところが、初めはシチリアでのマイケルの顔を監督は傷ついたままにする予定だったという。
コッポラ「マイケルの顔は治ってはいてもグロテスクだ。身体が内面の変化を表しているみたいに。もはや組織の一員ということである。殺しをしたのだから」
傷物にしなかったのは、やはり二枚目スターだったからだろうか。
【英語字幕】
マイケルが護衛の2人とハイキング中、車が近くに止まり、庇護者のドン・トマシーノが姿を見せる。
トマシーノ「Why are you so far from the house? You know I'm responsible to your father for your life」
マイケル「The bodyguards are here」
トマシーノ「It's still dangerous……We've heard from Santino in New York……Your enemies know you're here」
マイケル「Did Santino say when I can go back?」
トマシーノ「Not yet. It's out of the question. Where are you going now?」
マイケル「To Corleone」
トマシーノ「Take my car」
マイケル「I want to walk」
トマシーノ「Be careful」
首をひねるトマシーノ。
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