最初にDVDの字幕と吹き替えを、次に本文を、最後に実際に話された会話の原文を紹介します(DVD収録の英語字幕とは違います)。
フランクが証人として調査委員会に出席すると知った後、フレドと話すマイケル・コルレオーネ
【字幕】
フレド「何も話すことはない」
マイケル「時間はある」
フレド「闇におかれてた。何も知らされてない」
マイケル「今は? 何か役に立つことは? 話してくれ」
フレド「フランクの事しか知らん。襲撃のことだって、誓って、知らなかった。ビバリーヒルズでジョニーと偶然会った。奴は話がしたいと。君とロスが大仕事を組んでると言った。そして俺の出番もあると。交渉が難航してる。手を貸せば早く片がつく。ファミリーのためだと」
マイケル「信じたのか。そんな話を?」
フレド「俺のためになると言ったんだ」
マイケル「面倒を見てきたろ」
フレド「面倒だと! お前は弟だぞ。考えた事あるか。一度でも。指図ばかりしやがって。“フレドにクラブを見させとけ” “出迎えはフレドに” 俺は兄貴だ。それを」
マイケル「パパが決めた」
フレド「俺はお断りだ。俺にだってできる。俺はバカじゃない。尊敬されたいんだ」
マイケル「公聴会で俺の役に立つことは?」
フレド「委員会のクエスタッドはロスの仲間だ」
マイケル「フレド。もう終わりだ。兄弟でも、友達でもない。一切、関係ない。もう二度と、顔を見たくない。ママに会いたい時は俺は外に出てる。いいな」
マイケルがフレドから離れて別室へ移動し、ネリに指示する。
マイケル「ママが生きてる間はフレドは無事だ」
*「事」と「こと」で表記ゆれがありますが、すべて画面にある通りです。吹き替えは「事」で統一しています。
【吹き替え】
フレド「あんまり話す事はないぞ」
マイケル「時間はある」
フレド「俺は暗闇の中におかれていた。たいした事は知らない」
マイケル「今はどうだ? 何か役に立つ事はないか? あったら話してくれ」
フレド「フランキーは委員会側って事だけだ。あの襲撃の事も知らなかった。ここを襲うなんて夢にも思わなかったよ。ジョニー・オーラと偶然会って、ビバリーヒルズでだが。そしたら話をしたいって。聞くと、お前とロスが組んで、何か、でかい仕事をすると言うんだ。ついては、俺にもちょっと手助けしてもらえないかと言うんだ。なんでもある段階で、お前が交渉にてこずってるというんだ。でもちょっと手を貸せば、取引はすぐ締結すると。ファミリーのためにも、いい事だって」
マイケル「そんな話を信じたのか。うのみにしたのか」
フレド「俺にとっても良い話だと言われた。ためになると」
マイケル「面倒は見てきたはずだがな」
フレド「面倒は見ただと! 弟のお前が面倒見たっていうのか! 考えた事があるのか! 一度でも考えた事があるかっての! それなのにフレドにやらせとけ、あれはフレドにやらせとけか! フレドにやらせときゃいいだろ、どうせおやすいナイトクラブだから。空港の出迎えか? フレドをやっとけ。俺は兄だぞ。それを踏みつけにしやがって!」
マイケル「父さんの決めた事だ」
フレド「俺はまっぴらだよ、そんな事は! 俺だってバカじゃない! 仕事はできるんだ! どいつもこいつもバカにして! ほんとはそうじゃねんだ! 俺だって一目置かれたいんだよ!」
マイケル「他にないか。調査委員会で役に立つ事は。何かないか」
フレド「上院議員の、クエスタッド。あれはロスの手の者だ」
マイケル「フレド。お前とは縁を切る。兄でもなければ、友達でもない。どこで何をしようともう知らん。ベガスのホテルには立ち入るな。うちの敷居もまたがせない。母親に会う時は、前日に連絡しろ。俺は留守にする。分かったな」
フレド「マイケル…」
マイケルがフレドから離れて別室へ移動し、ネリに指示する。
マイケル「母が生きてる間は、彼に手を出すな」
調査委員会の自信ありげな様子を見たマイケルが、情報を得ようとトム経由でフレドを呼び寄せたのだろう。
「面倒を見てきたろ(字幕)」の一言でフレドが切れる。
マイケルがどうフレドの面倒を見てきたか観客は知っているから(パーティでのフレドの妻の扱いなど)、上から目線もしかたないと思える。
が、違和感はある。
自分がボスとはいえ兄に対する言葉としてはなんともひどい。
フレドを兄というよりも組織の一員と見ていたためだろうか。
ボスと部下となれば上下関係は当然だし、ビジネス上の冷淡は珍しいことではない。
兄弟同士の意地の問題だけでなく、仕事の厳しさを家族に持ち込んで人生をこじらせるという意味でも興味深いシーンである。
この直前に、フランクがどうFBIの手に渡ったかについてトムがマイケルに説明している。
「ノミ行為、殺人、その他で奴らの手に(字幕)」「FBIがノミ行為や殺人の罪でぱくったんだ(吹き替え)」と。
だが、ロサト兄弟に襲われた現場で上記の罪など犯していない。
脚本にはその事情が簡潔に記されている。
議会で証言することで、調査対象になっている犯罪行為を免罪にしてもらう司法取引をフランクがしたのである。
【原文】
フレド「I haven’t got a lot to say, Mike」
マイケル「We have time」
フレド「I was kept pretty much in the dark. I didn’t know all that much」
マイケル「What about now? Is there anything you can help me out with? Anything you can tell me now?」
フレド「They got Pentanjeli, that’s all I can tell you. I didn’t know it was going to be a hit, Mike. I swear to God, I didn’t know it was going to be a hit. Johnny Ola bumped into me in Beverly Hills, and he said that he wanted to talk. He said that you and Roth were in on a big deal together, and that there was something in it for me if I could help him out. He said that you were being tough on the negotiations, but if they could get a little help, they’d close the deal fast. It’d be good for the family」
マイケル「And you believed that story? You believed that?」
フレド「He said there was something in it for me on my own!」
マイケル「I’ve always taken care of you, Fredo」
フレド「Taken care of me!? You’re my kid brother, you take care of me!? Did ya ever think about that, huh? D’j’even once think about that!? Send Fredo off to do this! Send Fredo off to do that! Let Fredo take care of some Mickey Mouse nightclub somewhere! Send Fredo to pick somebody up at the airport! I’m your older brother, Mike, and I was stepped over!」
マイケル「It’s the way Pop wanted it」
フレド「It ain’t the way I wanted it! I can handle things! I’m smart! Not like everybody says! Like dumb! I’m smart! And I want respect!」
マイケル「Is there anything you can tell me about this investigation? Anything more?」
フレド「The Sanate lawyer, Questadt… he belongs to Roth」
マイケル「Fredo, you’re nothing to me now. You’re not a brother, you’re not a friend. I don’t want to know you or what you do. I don’t want to see you at the hotels. I don’t want you near my house. When you see our mother, I want to know a day in advance, so I won’t be there. You understand?」
フレド「Mikey…」
マイケルがフレドから離れて別室へ移動し、ネリに指示する。
マイケル「I don’t want anything to happen to him while my mother’s alive」

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