最初にIMDbのレビューを紹介します。
その後でコメントを記しました。
IMDbレビューより(2014年5月の投稿)
「原作が上回る点がひとつあるとすれば登場人物の変化だ。
アル・パチーノが演じたマイケル・コルレオーネのキャラは小説ではより重視される。
映画のマイケルは時としてやや急な変わり方をするが、本のほうは段階を踏んだ処理をしている。
他のキャラでは、レニー・モンタナのルカ・ブラージが重要に扱われている。
コルレオーネ・ファミリーの協力者であっても暗く陰鬱な過去があり、敵に脅威を与える相手として際立つ存在なのだ。映画の彼はまるでのろまな大男で怖くない。
小説版は脇役にそそるバックグラウンドをもつ者がいてこれも好ましい。
たとえばマクラスキー警部(スターリング・ヘイドン)だ。
ただ小説ならともかく、映画であまり詳しくやるとくどくなるだろう」
(コメント)
原作本を読もうという人にはネタバレになりそうなので、ルカ・ブラージの恐ろしすぎる過去については言わない。
ホラー映画みたいなエピソードがいくつかある。
マクラスキー警部については、割に合わない警察の仕事に対する不満から賄賂を受け取っていたことやタッタリアとの親交などが書かれている。
マイケルを殴ったのは、人をすべて追い払ったはずの病院に彼がいたことでソロッツォから得ていた大金を返さなくてはならなくなったその腹いせが理由だ。
ブラージがアンドレ・ザ・ジャイアントとすると、ヒクソン・グレイシーみたいなイメージのアル・ネリも、原作では詳しく過去が明かされている。
屈強な警官でありながらも正義感が強すぎたせいでチンピラを殺してしまった過去がネリにはある。
刑務所に入れられる寸前にマイケルに救われ、結果的にファミリーの一員となったのだ。
マイケルは情に訴える方法でネリの心をつかんだ(前回の記事で紹介したドンの教えにならい)。
つまり計算によって身内にしている。
が、ネリにとってのマイケルは恩義あるボスである。しかも凶暴ではあってもクソまじめな男だ。
ただの殺し屋として仕えはじめた男がやがて幹部にまでなれたそのわけが原作だとよくわかる。
その原作小説に、ネリがファミリーに入る決意をかためる際の心情がこう説明されている(ハヤカワ文庫『ゴッドファーザー』より)――
「コルレオーネ・ファミリーは彼の価値を認め、世間は認めなかった」
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