最初にBDの日本語字幕を、次に本文を、最後に同BD収録の英語字幕を紹介します。
訓練教官といっしょに合唱しながらランニングをする新兵たち
【日本語字幕】
ジョーカー(ナレーション)「パリス・アイランド。南カロライナ州。合衆国海兵隊の新兵訓練基地。タフ気取りとアホ勇者用の8週間制学院」
ハートマン「ママとパパはベッドでごろごろ。ママが転がりこう言った。“お願い。欲しいの” “しごいて(PT)” お前によし。おれによし。日の出とともに起き出して。走れと言われて一日走る。ホー・チ・ミンはろくでなし。梅毒、毛ジラミ、ばらまく浮気」
自分と外見がはっきり違う人間は殺しやすくなる。
敵が劣った生命体であると信じることまでできれば、同種殺しへの抵抗感は消えるという。
ある調査によると、第二次大戦中のアメリカ兵の44%が「ぜひ日本兵を殺したい」と答えた一方、ドイツ兵については同様に答えた者が6%しかいなかった(パールハーバーの復讐という要因もあったが)。
人間性を否認する手段のひとつとしてあだ名がある。
本作では、「グック(gook)」「グッカー(gooker)」なる東洋人への蔑称が使われていた(大戦時の日本人ならもちろん「ジャップ」)。
だが、敵の北ベトナム兵は同盟軍の南ベトナム人と見分けがつかない。
そこで、おもに「共産主義者」のレッテルが使われたのだ。
このシーンではその共産主義の親玉ホー・チ・ミンを、「梅毒、毛ジラミ、ばらまく浮気」とけなしまくり新兵たちを鼓舞している。
しかし、これなど甘いほうである。
1970年代のアメリカ陸軍訓練時の話だが、かつてはこんな歌まであったという――
「レイプするぞ、ぶっ殺すぞ、ぶんどって、焼き捨てて、死んだ赤んぼを食ってやる」
このような暴力崇拝によって、新兵はいつでも殺しができる気になっていったのだ。
ちなみに「PT」とは「physical training(体育)」の略である。
【英語字幕】
ジョーカー(ナレーション)「Parris Island, South Carolina......the United States Marine Corps Recruit Depot. An eight-week college for the phony-tough and the crazy-brave」
ハートマン「Mama and Papa were laying in bed. Mama rolled over and this is what she said. Oh, give me some. Oh, give me some. P.T. P.T. Good for you. And good for me. Good. Up in the morning to the rising sun. Gonna run all day till the running's done. Ho Chi Minh is a son of a bitch. Got the blue balls, crabs and the seven-year itch」
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