最初にBDの日本語字幕を、次に本文を、最後に同BD収録の英語字幕を紹介します。
射撃場
【日本語字幕】
ハートマン「地上で最強の武器は海兵だ……彼のライフルだ。戦場で生き残りたいと思うなら殺りく本能を研ぎすます事だ。ライフルは道具に過ぎん。殺しは鉄の心臓がやる。殺りく本能が純粋さと強烈さに欠けると真実の瞬間に後れをとる。殺さずホトケの海兵になっちまう。みじめなクソ地獄に堕ちる! 海兵隊員は許可なく死ぬ事を許されない。分かったか、ウジ虫」
全員「(字幕なし)サー、イエス、サー」
「鉄の心臓」の原語は「hard heart」となっている。
本来の意味は「冷酷」や「非情」だ。
つまり、殺しに必要なのは「人間らしい感情のないこと」になる。
血が通っていないような状態ゆえに鉄の心臓と訳されたのだろう。
また原作と脚本には、海兵隊員が「許可なく死ぬ事を許されない」理由が、「海兵隊員は政府の所有物だから」と書かれてある。
「政府に命令されるまでは死んではいけない」=「そんな命令はありえないのだから絶対死んではいけない」のだ。
そのためには非情でなくては! というわけである。
非情であれば接近戦に臆さない。
接近できればそれだけで敵に畏怖と恐怖を吹き込む。
至近距離での攻撃ができる意志の力が脅威になるのだ。
海兵はそうでなくてはいけない。
だがしかし、同じ人間を殺すことは簡単ではない。
兵士にとっては死や負傷よりも、「戦闘にまつわる恐ろしい義務を果たせないのではないか」という恐怖のほうが重いともいわれる。
空爆や迫撃砲ならともかく、敵に近づくほどにこの恐怖は強くなる。
相手の顔が見える距離だと発砲できないこともあるという。
それでも戦えるのは、上官からの命令、仲間を守るため、あるいは同調圧力、といったさまざまな要素を兵士たちが抱えているせいだ。
非情さだけではないのである(一部の精神病質者はともかく)。
【英語字幕】
ハートマン「The deadliest weapon in the world is a Marine and his rifle. It is your killer instinct which must be harnessed if you expect to survive in combat. Your rifle is only a tool. It is a hard heart that kills. If your killer instincts are not clean and strong, you will hesitate at the moment of truth. You will not kill. You will become dead-Marine. And then you will be in a world of shit. Because Marines are not allowed to die without permission. Do you maggots understand?」
全員「Sir, yes, sir」
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