映画『バットマン(1989)』は今、どう見られているのか?  ―人気作の現在地(アクション編2)―

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   邦題: バットマン

   原題: Batman

  公開年: 1989年

 収録時間: 126分

 IMDb評点: 7.5

 私的評価: 6.9

 ジャンル: アクション、アドベンチャー

  出演者: マイケル・キートン、ジャック・ニコルソン、キム・ベイシンガー

   監督: ティム・バートン

   概要: コウモリ姿のコスチュームで犯罪者を懲らしめる大富豪が、裏社会を牛耳る残虐な狂人に立ち向かう







2023年以降に投稿されたIMDbレビューから10本紹介します。


そのあとにコメントを記しています。





【スーパーヒーローのジャンルを……】

「ティム・バートンの『バットマン』はスーパーヒーローのジャンルを再定義した映画界の金字塔である。


ゴシックな映像と何十年たっても色あせない暗く風変わりなトーンを融合させている」






【バートン風だけど……】

「ティム・バートン風だから設定はややマンガっぽいけれどうまくいった。


見た目があまり古びないおかげで時代を超越した映画となっている。


どちらかといえば動くマンガを見るようだ」






【ニコルソンがあまりにも……】

「ジャック・ニコルソンにジョーカーをやらせたのは英断のひとつだ。


彼があまりにも人気をさらったせいで、これがバットマンの映画であることを忘れてしまいそうになる」






【キートンはちゃんと……】

「マイケル・キートンがバットマンとブルース・ウェインに選ばれたことは当時物議を醸した。


が、彼はバットマン役の責任をちゃんと果たしている。肉体のたくましさはなくとも謎めいた存在感があるのだ。


キートンはキャラの内面にある苦悩をうまくとらえており、より暗くより偏執的なバットマンというバートンの解釈にぴったり合っている」






【バートンの狙いは……】

「バートンはブルース・ウェインとその複雑な心理に焦点を合わせていたわけではない。明らかに映像と悪役に合わせている」









【スーパーヒーローというよりも……】

「何にせよ、ほんとうによくできている。これはスーパーヒーロー映画のファンではない男からの意見だ。


ただ、バットマンはスーパーヒーローというよりスーパーガジェットの男だから、それが評価したい理由なのかもしれない」






【普通のヒーローものと違って……】

「たいていのスーパーヒーロー作品の1作目にある長々としたヒーロー誕生のいきさつをほぼ飛ばしている。


そうして見せ場の時間を増やしたのだ」






【ジョーカーというのは……】

「ジョーカーが狂っていてバットマンがそれを止めようとするだけ。そこがたまらない。


これぞ昔ながらのバットマンだ。


決定的にいかれた人間でしかないジョーカーはかなり見ごたえがある。なぜなら彼はただ狂っているからだ。


ジョーカーが何者であるかがパーフェクトに伝わってくる」






【ジョーカーが目立つわけは……】

「この映画には1930年代の感触がただよう――ギャング、大富豪、ジャーナリスト、不況、毛皮のコート、汚くてムッとする通り。


色彩は抑えめで、衣装の大半は色あせた茶色、青、白、灰色が占める。


これが、そのきつい緑、白、紫をまとうジョーカーによりいっそう目立つビジュアルを与えたのだ。


音楽も楽しく、映画によく合うばかりである」






【こうすればもっと……】

「特殊効果の改善と上映時間の短縮によって、楽しい映画が素晴らしい映画になれたかもしれない」







《コメント》

バットマンやアメコミのファンに今でも圧倒的に支持されている。


批判もあるが多くはファンによるもので毛嫌いしているほどではない。


といってももはや神聖視される領域にあるため、滅多なことは言えない。


以下、なるほどと思える批判をいくつか挙げる――


「印象深いアクションシーンであっても現代のスーパーヒーロー映画にある滑らかさと激しさがない」


「ビッキー・ベールについて言うと、バットケイブでのブルース・ウェインとのシーンはいかにも安っぽい昼ドラのようだった。全部せりふのせいだ」


「ニコルソンの演技は有名だがあまりにアホなのでついていきにくい」





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