邦題: 死霊館
原題: The Conjuring
公開年: 2013年
収録時間: 112分
IMDb評点: 7.5
私的評価: 6.3
ジャンル: ホラー、ミステリー、スリラー
出演者: ヴェラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン
監督: ジェームズ・ワン
概要: 越してきた田舎の一軒家に悪霊が棲んでいると知ったファミリーが、超常現象の研究で有名な2人(実在したウォーレン夫妻)に助けを求める。「死霊館ユニバース」の1作目
2024年以降に投稿されたIMDbレビューから10本紹介します。
そのあとにコメントを記しています。
【お化け屋敷の……】
「ホラー映画におけるお化け屋敷のサブジャンルを復活させたと評されている作品だ」
【カメラの動きはどれも……】
「他の人がただ模倣しそうなところを、ジェームズ・ワンは革新する。
それぞれのシーンが丹念につくられていて、カメラの動きはどれもが計算された愛撫、あるいは平手打ちのようだ」
【屋敷自体が……】
「撮影監督は光と影を独自に使い、それ自体をキャラにしてこの屋敷を変貌させた。
秘密と悲しみの染みつく朽ちかけた遺物として」
【演技のすべてが……】
「演技が素晴らしく、そのすべてがここではうまくいった。卓越したものもある。疑う余地なく」
【自分もいっしょに……】
「本作の登場人物は実在する。大事に思いたくなる人たちだ。映画を見ていると自分の友人や遠い親戚みたいな気がしてくる。
夜の場面で何かが起こりはじめると、自分もいっしょに経験しているような感じだ」
【他のホラーと違うのは……】
「間違いなく登場人物を肯定的に描いている。これは良いことだ。
ジェームズ・ワンは理解しているらしい。
観客が彼らと同じ恐れを抱くには、ほんとうにその人たちを好きでなければならないと。
現代の他のホラーとはそこが違う」
【あからさまに……】
「『死霊館』は定型的である。あからさまにそうだ。
ただ、おそらくは私が見たなかでもっとも優れた定型ホラーだ。
雰囲気は一貫しており、スリリングな第2幕をもつよくできた時代物である(注:作品の時代設定は1971年)」
【悪というのは……】
「悪はたしかに存在するが、それは私たち人間の内にある。
本作はそれほど驚くべきものではなく、よくあるタイプだ」
【この手の映画の狙いは……】
「映画に“悪魔的”な要素が含まれる場合、いつものパターンになることが多い。
“実話に基づく”、“教会が認めている”、“神を信じないと永遠に呪われる”といったものだ。
すると映画そのものを超えて、気になってしかたない人々を動揺させたりする。
私はそれを知っている」
【ウォーレン夫妻とは……】
「観客はこの内容を信じこまされているが、『死霊館』は大ぼら吹きの詐欺師、エド&ロレインのウォーレン夫妻を題材にしている。
うそをついたりだましたりしてうまく切り抜けた人たちだ。
証拠を一切示さずに、幽霊、憑依、呪われた人形について子どもじみた話をでっち上げ、大金を稼いだ。
もちろん、国民は彼らを信じた」
《コメント》
ヒットしたのは実話に基づくと宣伝されたせいもあるようだが基本的にはフィクションだ。
超常現象を信じていたり信仰心の強い者にとっては非常に恐ろしい一方、信じない人には何でもない作品である。
心の闇を描くような話でもない。
とはいえややこしいストーリーではないし、どのシーンもちゃんと楽しめる。
例えると、怖い絵画や彫刻を一つひとつきれいに並べて飾ったホラー美術館といったふうである。
ただし、陳列物のどれもが独立していて恐怖が累積してこない。それが正直な印象だ。
あまり最近のホラーを見ていないのでよくわからないのだが、これが主流になっているのだろうか。
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