映画『デス・オブ・ア・ユニコーン(仮題)』  ―2025年全米週末興収トップ10作品(ミステリー&ホラー編6)―

       Amazon  Music       /       Death  of  a  Unicorn             邦題: デス・オブ・ア・ユニコーン(仮題)      原題: Death of a Unicorn     公開年: 2025年    収録時間: 107分    IMDb評点: 6.3    ジャンル: コメディ、ファンタジー、ホラー、スリラー     出演者: ポール・ラッド、ジェナ・オルテガ、ウィル・ポールター、ティア・レオーニ、リチャード・E・グラント      監督: アレックス・スカーフマン      概要: その角に病気を治す効果があると知った製薬会社のCEOがユニコーンを本格的に利用しようとたくらむ ランクイン回数: 2回 IMDbのレビューから6つ紹介します。 【その1】 「ホラーコメディの大ファンとしてはこのサブジャンルの映画が急増していることに興奮を覚える。 しかし、たいていはホラーの側面が弱い。楽しさが怖さに勝っているのだ。 本作のホラーはよくできていた。 最初の『ジュラシック・パーク』にあった、緊張やサスペンスを伴う感触がいくつかの瞬間で味わえる」 【その2】 「ユニコーンによるものすごい大虐殺を見るために鑑賞しようというなら、がっかりはない! ユニコーンたちの脅威がはっきり迫るそれらのシーンは楽しめるとともに恐ろしい」 …

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映画『アビス』は今、どう見られているのか?  ―人気作の現在地(スリラー編1)―

         Amazon  Video       /       アビス             邦題: アビス    原題: The Abyss   公開年: 1989年  収録時間: 140分  IMDb評点: 7.5  私的評価: 6.9  ジャンル: アドベンチャー、ドラマ、ミステリー、SF、スリラー   出演者: エド・ハリス、メアリー・エリザベス・マストラントニオ、マイケル・ビーン    監督: ジェームズ・キャメロン    概要: 軍に協力して原潜事故の調査をしていた民間の石油採掘業者が深海で未知の生命体と出会う 2024年以降に投稿されたIMDbレビューから10本紹介します。 そのあとにコメントを記しています。 【これを見れば……】 「『アビス』を見れば、『ターミネーター2』の革命的な液体金属ターミネーターへいたる技術の始まりと、『タイタニック』につながる水中撮影の下地がわかる」 【おなじみのあのテーマが……】 「『地球の静止する日』や『未知との遭遇』といった映画を見たことがあるなら、ある側面に気づくだろう。 とくに冷戦時代に見られた、人類がおかれた状態とコミュニケーションというおなじみのテーマがはっきりと存在し、よく伝わってくるのだ」 【古い映画ながら……】 「宇宙人たちによるいちゃつくようなコミュニケーションの試みもじつによくできていて、古い…

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エイリアン&プレデター・コーナー (一覧)

「エイリアン」  ―ノストロモ号クルーの気分になれる!― 『エイリアン』のせりふでエイリアンより怖いものを学ぶ  ―せりふで遊ぶ(その35)― エイリアン、宇宙船、リプリー、そしてネコが意味するもの  ―『エイリアン』の海外レビューは語る― 奇妙な名作  ―『エイリアン』の海外レビューは語る― ネコのジョーンズが語るダークな裏話  ―『エイリアン』のトリビアで愉しむ(一瞬目のショック)― ネコのジョーンズが語るエッグ&フェイスハガーな裏話  ―『エイリアン』のトリビアで愉しむ(二瞬目のショック)― ネコのジョーンズが語るチェストバスターな裏話  ―『エイリアン』のトリビアで愉しむ(三瞬目のショック)― ネコのジョーンズが語るゼノモーフな裏話  ―『エイリアン』のトリビアで愉しむ(四瞬目のショック)― 『エイリアン』は今、どう見られているのか?  ―人気作の現在地(SF編2)― 「エイリアン2」  ―宇宙海兵隊とイスラエル、そして、ノストロモ号と日本― 見える恐怖、見えない恐怖、微妙な恐怖  ―『エイリアン2』の海外レビューは語る― 『エイリアン2』  ―エイリアン・クイーンになって楽しむ!― 『エイリアン2』は今、どう見られているのか?  ―人気作の現在地(SF編3)― 『エイリアン3』  ―二つで十分アーカイブ― 『エイリアン3』…

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映画『エイリアン: コヴェナント』は今、どう見られているのか?  ―人気作の現在地(SF編7)―

  Amazon  Video  /  エイリアン: コヴェナント      邦題: エイリアン: コヴェナント    原題: Alien: Covenant   公開年: 2017年  収録時間: 122分  IMDb評点: 6.4  私的評価: 6.5  ジャンル: ホラー、SF、スリラー   出演者: マイケル・ファスベンダー、キャサリン・ウォーターストン、ビリー・クラダップ、ダニー・マクブライド、デミアン・ビチル    監督: リドリー・スコット    概要: 植民地とする惑星に向けて航行していた宇宙船のクルーが、目的地よりも近い場所により移住に適した星があると知って調査に向かう。『プロメテウス』の続編で、時代は同作の2089年より少しあとの2104年 2024年以降に投稿されたIMDbレビューから10本紹介します。 そのあとにコメントを記しています。 【このエイリアンの怖さは……】 「今回のエイリアンのデザインはこれまでと少し違っていたけれど、それでもじつに不気味で怖かった。 思うに、おそらくはシリーズ中でもっとも怖い映画だ。 ジャンプスケアも数多くあった(その大半がありきたりだったのもたしかだが)」 【CGがちょっと……】 「この世界観におけるエイリアンの進化の描写をけっして好きになれなかった。 それにあまりにもCGが過剰なときがある。トランスフォーマーの映画を見ている…

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映画『プロメテウス』は今、どう見られているのか?  ―人気作の現在地(SF編6)―

       Amazon  Video     /     プロメテウス           邦題: プロメテウス    原題: Prometheus   公開年: 2012年  収録時間: 124分  IMDb評点: 7.0  私的評価: 6.7  ジャンル: アドベンチャー、ミステリー、SF   出演者: ノオミ・ラパス、マイケル・ファスベンダー、ガイ・ピアース、イドリス・エルバ、ローガン・マーシャル=グリーン、シャーリーズ・セロン    監督: リドリー・スコット    概要: 人類の起源を探ろうと科学者のチームが宇宙へ飛び立つ。『エイリアン』シリーズのプロローグともいえる未来SF 2024年以降に投稿されたIMDbレビューから、評価する5本と批判する5本を交互に紹介します。 そのあとにコメントを記しています。 【シリーズ作としてどうか……】 「答えがないせいで最初は激怒したが、今ではむしろエンジニア(注:人類の祖先と思われる巨人族)の動機について十分に説明されないことを楽しんでいる。ファンの興味を引こうとエイリアンの名を使うことに頼らない独立したストーリーであり、エイリアンシリーズとは別の映画みたいなものだ」 「他のシリーズ作と比較しなければ、『プロメテウス』は平均的でたわいない一方、洗練された映像の娯楽SFになるのかもしれない。ただこれはエイリアンの映画だとどこまでも突きつけられるため、独自性のありそうな…

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映画『エイリアン4』は今、どう見られているのか?  ―人気作の現在地(SF編5)―

      Amazon  Video     /     エイリアン4          邦題: エイリアン4    原題: Alien Resurrection   公開年: 1997年  収録時間: 109分  IMDb評点: 6.2  私的評価: 7.6  ジャンル: アクション、ホラー、SF   出演者: シガニー・ウィーバー、ウィノナ・ライダー、ロン・パールマン、ドミニク・ピノン    監督: ジャン=ピエール・ジュネ    概要: 宇宙刑務所に残されたリプリーの血液から未来の科学者たちがクローンを生み出し、その体内よりエイリアンクイーンの幼体を摘出する 2024年以降に投稿されたIMDbレビューから10本紹介します。 そのあとにコメントを記しています。 【すごくはないが……】 「全体的にまあまあのシリーズ4作目だ。問われるなら、3作目同様にかなり過小評価されていると言うことになる。 すごいほどでないとはいえ十分に認められていない良作であるのは間違いない」 【時代を考えると……】 「つくられた時代を考えると悪くない特殊効果だ。今ではもっとひどいCG を目にする。 製作陣が手がけたアイデアには、泳ぐゼノモーフや人間たちを襲うよう仕掛けられたフェイスハガーなどおもしろいものもある」 【ジョークがとても……】 「道徳的にグレーなこの宇宙の仕事人チームはエイリ…

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映画『エイリアン3』は今、どう見られているのか?  ―人気作の現在地(SF編4)―

       Amazon  Video     /     エイリアン3           邦題: エイリアン3    原題: Alien³   公開年: 1992年  収録時間: 114分  IMDb評点: 6.4  私的評価: 7.3  ジャンル: アクション、ホラー、SF   出演者: シガニー・ウィーバー、チャールズ・ダンス、ラルフ・ブラウン、チャールズ・S・ダットン、ランス・ヘンリクセン    監督: デヴィッド・フィンチャー    概要: 前作の惑星をあとにした海兵隊の戦艦に事故が起き、そこから射出された脱出艇が流刑者の星に不時着する 2024年以降に投稿されたIMDbレビューから、評価する6本と批判する6本を交互に紹介します。 そのあとにコメントを記しています。 【主人公について……】 「『エイリアン³』の彼女は、まだそれが革命的な概念だった時代におけるガールパワーの体現者だ。すべてを終わらせるために、彼女はエイリアンが現れるのを待っているかのようだった。永遠に尊敬できる」 「リプリーがリプリーらしくない。人が変わったようだ。医者の男とすぐに関係をもつのだが、他のシリーズ作でそういった行動をにおわせるものは何もなかった」 【エイリアンについて……】 「今回のエイリアンはもっと動物的だ。狂暴なピットブルとラブクラフトの悪夢が混ざっている。パルスライフルや火炎放射器なんかない。囚…

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映画『エイリアン2』は今、どう見られているのか?  ―人気作の現在地(SF編3)―

        Amazon  Video      /      エイリアン2            邦題: エイリアン2    原題: Aliens   公開年: 1986年  収録時間: 137分  IMDb評点: 8.4  私的評価: 9.3  ジャンル: アクション、アドベンチャー、ホラー、SF、スリラー   出演者: シガニー・ウィーバー、マイケル・ビーン、キャリー・ヘン、ランス・ヘンリクセン、ビル・パクストン    監督: ジェームズ・キャメロン    概要: エイリアンがいた星に入植した者たちとの連絡が途絶えたことで、地球から植民地海兵隊と前作で生き残った航海士リプリーが調査に向かう 2024年以降に投稿されたIMDbレビューから10本紹介します。 そのあとにコメントを記しています。 【できれば……】 「可能であれば常にディレクターズカット版(スペシャルエディション)を見てほしい。もっと惚れこむ。 どんなSFファンも見るたびによだれを垂らしてしまうだろう……」 【こんな自分に驚く……】 「何度繰り返し見てもまだ驚かされる。 スタジアムのフットボールファンのように喝采を送れることに。 リング脇のボクシングファンのように飛び上がれることに。 クイーンの巣に近づく海兵隊員のように毒づけることに。 ロボットみたいな非常に空想的なスーツのなかで、リプリーが狡猾な怪…

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映画『エイリアン』は今、どう見られているのか?  ―人気作の現在地(SF編2)―

        Amazon  Video      /      エイリアン             邦題: エイリアン    原題: Alien   公開年: 1979年  収録時間: 117分  IMDb評点: 8.5  私的評価: 9.2  ジャンル: ホラー、SF   出演者: トム・スケリット、シガニー・ウィーバー、ヴェロニカ・カートライト、ハリー・ディーン・スタントン、ジョン・ハート、イアン・ホルム、ヤフェット・コットー    監督: リドリー・スコット    概要: 宇宙船内で乗組員たちがおぞましい怪物に次々と襲われるSFホラーの名作 2024年以降に投稿されたIMDbレビューから10本紹介します。 そのあとにコメントを記しています。 【何度でも……】 「この映画がどれだけ素晴らしいか、いくら強調しても足りないくらいだ。これこそSFホラーファンのための一本だ。 今見るべきものはこれである。鑑賞済みであってももう一度見てくれ。時代を超えて生き残ってきたのだ。 (古くさい技術もあるが)おそらくは、かつてないほどに完璧な宇宙/エイリアン/ホラー映画といえる」 【まったく無駄が……】 「徐々に展開するスリルがある。 どちらかというとミステリーホラーとして始まり、その後サバイバルホラーへと突きすすんでいく。 無駄がまったくなく(ディレクターズカット版を見ると)、時間があ…

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映画『遊星からの物体X』は今、どう見られているのか?  ―人気作の現在地(SF編1)―

    Amazon  Video    /    遊星からの物体X        邦題: 遊星からの物体X    原題: The Thing   公開年: 1982年  収録時間: 109分  IMDb評点: 8.2  私的評価: 8.4  ジャンル: ホラー、ミステリー、SF   出演者: カート・ラッセル    監督: ジョン・カーペンター    概要: アメリカ南極観測隊のメンバーが謎の地球外生命体に脅かされるボディホラーの名作 2024年以降に投稿されたIMDbレビューから10本紹介します。 そのあとにコメントを記しています。 【殿堂があれば……】 「特殊効果の殿堂があれば入る作品だ。 この映画が特殊効果の業績でオスカーレベルの賞を獲得しなかったのはなぜなのか、いまだに不思議である。ほんとうに。 映画自体について言うと、間違いなく史上最高のエイリアンホラーだと思う。 素晴らしい語り口だし、モンスターは怖いし、傑出の謎と展開だ。 だが、映画の真のハイライトは独自の特殊効果にある」 【重いテーマと……】 「孤立、妄想、そして人間の制御が及ばない力にかかわる危うさといったテーマも描いた映画だ。 南極という環境が閉所の恐怖感や無防備感を高め、隊員たちの状況をよりいっそう絶望的にしている」 【なんとも耐えがたい……】 「未知のものはじつに怖い! …

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映画『エレベーション(仮題)』  ―2024年全米興収トップランク作品(アクション編2)―

            Amazon   Music        /        Elevation                  邦題: エレベーション(仮題)      原題: Elevation     公開年: 2024年    収録時間: 91分    IMDb評点: 5.6    ジャンル: アクション、SF、スリラー     出演者: アンソニー・マッキー、モリーナ・バッカリン、マディー・ハッソン      監督: ジョージ・ノルフィ      概要: 人類を滅ぼしながらも高度が苦手なクリーチャーたちを逃れて山にすみついたグループが、生活物資を手にするために低地での戦いを余儀なくされる IMDbのレビューから5つ紹介します。 【その1】 「ちょっとありきたりな感じではあるものの、見たことがないほどにひどい作品ではない。 ややまとめすぎの結末だから、そこにあと数分かけていればおそらく多少はプラスになっただろう。 もっとうまくやっている他の映画からインスピレーションを得ていることは疑いようもない。 それでも独自のユニークな意外性をあれこれ加えている。 そのおかげで、はっきりと嫌うわけにはいかないおもしろさが一応はある」 【その2】 「『クワイエット・プレイス』が好きなら気に入るだろう。私にはゴジラみたいな怪獣感もあった」 【その3】 「ネ…

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映画『エイリアン:ロムルス』  ―2024年全米週末興収トップ10作品(ミステリー&ホラー編13)―

  Amazon  Poster  /  エイリアン:ロムルス        邦題: エイリアン:ロムルス      原題: Alien: Romulus     公開年: 2024年    収録時間: 119分    IMDb評点: 7.4    ジャンル: ホラー、SF、スリラー     出演者: ケイリー・スピーニー      監督: フェデ・アルバレス      概要: 『エイリアン』と『エイリアン2』の間の時代に起きた出来事を描く、「エイリアン」シリーズ7本目の最新作 ランクイン回数: 3回(9月1日時点) IMDbのレビューから6つ紹介します。 【その1】 「フェデ・アルバレス監督はシリーズ作それぞれの製作過程を調べたようだ。 シリーズの核となる要素を焼き直しつつ、捨て置かれていたあらゆるアイデアをとうとうスクリーンに投入した。 『エイリアン』、『エイリアン2』、『エイリアン4』、また『プロメテウス』や『エイリアン: コヴェナント』からいろいろと使われている。 ファンのために、気づきにくいときもあればそうでもないときもある隠れたネタを数分ごとに用意したのだ。 音響効果からせりふの再利用まで幅広く」 【その2】 「もっとましなシガニー・ウィーバーのシリーズ作からコピペしたせりふが多すぎてドン引きした。 20世紀スタジオは本作を『エイリアン:リメンバー』とするべき…

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映画『クワイエット・プレイス:DAY 1』  ―2024年全米週末興収トップ10作品(ミステリー&ホラー編10)―

Amazon Poster / クワイエット・プレイス:DAY 1      邦題: クワイエット・プレイス:DAY 1      原題: A Quiet Place: Day One     公開年: 2024年    収録時間: 99分    IMDb評点: 6.7    ジャンル: ドラマ、ホラー、SF、スリラー     出演者: ルピタ・ニョンゴ、ジョセフ・クイン、アレックス・ウルフ、ジャイモン・フンスー      監督: マイケル・サルノスキ      概要: 音に反応して人を襲う地球外生命体を描いた『クワイエット・プレイス』の前日譚。シリーズとしては3作目 ランクイン回数: 3回(7月14日時点) IMDbのレビューから4つ紹介します。 【その1】 「俳優陣が素晴らしかった。主人公のサミラを演じた女優さんはまったく見事な仕事ぶりだ。 彼女が怖がるときは私も怖かった。彼女が痛がればその痛みを私も感じた。 第一作目は劇中のいかにもな静寂がよかった。明らかに今回は音が多い。 だが、あの静寂は十分すぎるほどに利用されている」 【その2】 「ルピタ・ニョンゴによる末期患者のサミラがニューヨーク市にいるとき、エイリアン軍団がやってくる。 クリーチャーの拡散を防ぐため当局がマンハッタンにつながる橋を破壊するのだが、サミラは大好きなピザ屋へ行こうとする。 病気に命を奪われる前…

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映画『ザ・ウォッチャーズ』  ―2024年全米週末興収トップ10作品(ミステリー&ホラー編8)―

        Amazon   Music       /       ザ・ウォッチャーズ              邦題: ザ・ウォッチャーズ      原題: The Watchers     公開年: 2024年    収録時間: 102分    IMDb評点: 5.8    ジャンル: ファンタジー、ホラー、ミステリー、スリラー     出演者: ダコタ・ファニング      監督: イシャナ・ナイト・シャマラン      概要: アイルランドの森林地帯で立ち往生した人々がえたいの知れないクリーチャーから身を守るため謎の建物に閉じこもる ランクイン回数: 3回(6月23日時点) IMDbのレビューから3つ紹介します。 【その1】 「イシャナ・ナイト・シャマランの監督デビューは喜ぶべきことのひとつだ。 彼女の父親のスタイルが映画のあちこちに埋めこまれているのがはっきり見て取れるが、自身のユニークな映像を披露してもいる。 展開については、上映時間の最後まではまってしまうおもしろいストーリーになっていた。疑問を感じるところまでは見せても、解き明かしはしないのだ。 “ウォッチャーズ”のデザインは映画の目玉である。 あまりネタバレのないように言うと、スクリーンに現れるたびに私はすっかり夢中になってしまった。もっと見たいと思わせる程度の描き方がされていた。 あいにく登場人物は最悪だ。一面的で本物ら…

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映画『サスカッチ・サンセット』  ―2024年全米興収トップランク作品(コメディ編4)―

       Amazon   Music       /       Sasquatch  Sunset             邦題: サスカッチ・サンセット      原題: Sasquatch Sunset     公開年: 2024年    収録時間: 88分    IMDb評点: 5.7    ジャンル: アクション、アドベンチャー、コメディ     出演者: ライリー・キーオ、ジェシー・アイゼンバーグ      監督: ネイサン・ゼルナー、デヴィッド・ゼルナー      概要: 北米に生息するとされる未確認生物サスカッチのファミリーが、変わりゆく世界のなかで必死に生き延びていく IMDbのレビューから3つ紹介します。 【その1】 「過度にわいせつなシーンもあるとはいえ、森に棲むこの一家のぶっきらぼうな描写に楽しく笑った。 見たらたぶん、なんてことを!と何度も言ってしまうだろう。劇場の席を立つ人がいたのも理解できる。 しかしながら私の考えでは、わいせつさとユーモアとドラマをなかなかうまく調和させた映画である。 個人的にはうれしい驚きだった。 話し言葉をひとつも使わずにここまでストーリーを語れるものかと。ほんのちょっとの顔の表情だけで。 役者さんたちはベストを尽くしたはずだ。 ただ、着ぐるみが全体的な動きや表現を制限していると見られそうではある」 【その2】 …

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映画『見えざる手のある風景』  ―2023年全米興収トップランク作品(コメディ編8)―

  Amazon  Video   /   見えざる手のある風景       邦題: 見えざる手のある風景     原題: Landscape with Invisible Hand    公開年: 2023年   収録時間: 105分   IMDb評点: 5.9   ジャンル: コメディ、ドラマ、SF    出演者: アサンテ・ブラック、カイリー・ロジャーズ、ティファニー・ハディッシュ     監督: コリー・フィンリー     概要: 圧倒的な管理能力で地球を支配するエイリアンを相手に稼ごうと、2人のティーンがずるい手を使いはじめる IMDbのレビューから3つ紹介します。 【その1】 「素晴らしい風刺だ。ディストピアを設定し、資本主義の欠陥と失敗をあばいている。 偽りの約束と安っぽい娯楽を提供する一方で、みずからのために人間たちを利用するエイリアンの姿を描く映画なのだ。 また、人生に意味や尊厳を見つけようと努力する2人の主役を使い、芸術、愛、階級、抵抗といったテーマも追っている。 すべてが強力なエリートによって管理され商品化される世界で生きる、その暗く憂鬱な光景を逃げずに見せる映画である。 よって強く問われる。 他者を虐げたり非人間的に扱ったりするシステムにおけるわれわれ自身の役割と責任を」 【その2】 「奇妙なSF的構想のひとつだ。 他の名作SFのように現代の…

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映画『NOPE/ノープ』  ―2022年全米週末興収トップ10作品(ミステリー&ホラー編5)―

       Amazon   Poster      /      NOPE             邦題: NOPE/ノープ      原題: Nope     公開年: 2022年    収録時間: 130分    IMDb評点: 7.5    ジャンル: ホラー、ミステリー、SF、スリラー     出演者: ダニエル・カルーヤ、キキ・パーマー、スティーヴン・ユァン      監督: ジョーダン・ピール      概要: 空から降ってきた謎の破片によって父親を亡くした2人のきょうだいが、UFOの存在を証明しようと活動をはじめる ランクイン回数: 3回(8月7日時点) 以下のレビューは、「全米週末興収トップ10」の記事で紹介したIMDbレビューを転載したものです。 【その1】 「楽しませてくれるおもしろい映画だったと思う。演技、音楽、撮影がすごい。 感触はスピルバーグ映画だ。ジョーダン・ピール監督は、『ジョーズ』と『未知との遭遇』の影響を口にしている。それが本作を見るべきかどうかの判断材料になっている。 監督の最高作ではない。『アス』よりは上だが『ゲット・アウト』のすごさはない」 【その2】 「ジョーダン・ピール監督はこの話を夢で見たのかもしれない。 朝5時に起き上がり、頭にあったあらゆる事柄を手早くメモったのだろう。 ただ奇妙な夢の常で、じつはまるで筋が通っておらず、目を覚ま…

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映画『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』  ―目を見張るメリハリ―

Amazon Video/クワイエット・プレイス 破られた沈黙    邦題: クワイエット・プレイス 破られた沈黙    原題: A Quiet Place: Part II   公開年: 2020年  収録時間: 97分 IMDb評点: 7.3  私的評価: 6.5  ジャンル: アクション、アドベンチャー、ドラマ、ホラー、SF、スリラー   出演者: エミリー・ブラント、キリアン・マーフィ    監督: ジョン・クラシンスキー    概要: 音を立てると襲ってくる怪物との死闘後、家を出た一家をさらなる脅威が待ちうける 前作の記事(『クワイエット・プレイス』 ―誰にでも向く作品ではないらしい―)でこう書いた―― 「ホラー映画であり、大作じゃない。それでもメガヒットした話題作。 だが一方では、こき下ろしレビューもゾロゾロとあふれる奇妙な映画である。 ヒットしたせいでこの手の映画に興味がないはずの(現実性や矛盾のなさにこだわる)人たちも見てしまい、目くじらを立てる意見が増えたのかもしれない」 大ヒットした続編の本作も同様で、興行でも批評家の評価でも成功しているのに一般のレビューはやはり酷評が多い。 ご都合主義や道理に合わない点にうるさい人たちによるものだ。 たとえばこんなケチがついた―― *全米週末興収トップ10(2021年6月11~13日分)の記事より転載。 「恒星間旅行ができるほどの…

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映画『ゼイラム』  ―駄菓子の名品!―

    Amazon  Video     /     ゼイラム       邦題: ゼイラム   英題: Zeiram  公開年: 1991年 収録時間: 97分 IMDb評点: 6.5 私的評価: 7.0 ジャンル: アクション、アドベンチャー、コメディ、SF  出演者: 森山祐子   監督: 雨宮慶太   概要: バウンティハンターの荒くれ戦士とまじめAIのコンビが凶悪な宇宙モンスターとバトルする ややこしいストーリーも小難しいテーマもないシンプルなアクションで1時間半きっちり見せきってる! 主人公イリアのコスチュームや武器のデザインは機能性なんかどこ吹く風のかっこよさだ! 演技やアクションはいまいちだが美人だから許す! なんといってもゼイラムの造形がグッド! 宇宙忍者というか宇宙妖怪というか宇宙魔人というか、 宇宙落ち武者とも宇宙虚無僧とも宇宙能楽師ともいえそうだし、 宇宙わら人形とか宇宙しいたけとか宇宙ペニスとかでもよさそうだが、 まあようするに見ないとわからないそんなコッテコテの怪物であり異物であり汚物だ! こいつの最終形態はグレレレレレレレート(巻き舌ね)! フライドチキン食べたあとのまだ肉や筋が残ってる骨をゴチャゴチャにくっつけたような、 そこへバラバラにしたミミズとムカデを混ぜて煮込んだような、 さらに片栗粉でとろみをつけたような、 いや造形師…

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映画『スプライス』  ―衝撃! いや、笑撃?―

Amazon Video「スプライス」   邦題: スプライス   原題: Splice  公開年: 2009年 収録時間: 104分 IMDb評点: 5.7 私的評価: 5.0 ジャンル: ドラマ、ホラー、SF  出演者: エイドリアン・ブロディ、サラ・ポーリー   監督: ヴィンチェンゾ・ナタリ 野心家の科学者コンビが新種の生物を生み出すSFホラー。 人間と動物の遺伝子を結びつけたというこの生き物は、最初は鳥だか犬だかウサギだかわからない形態だが、やがて人間の女性のように変貌していく。 『エイリアン4』や『ザ・フライ』を思い起こさせるが、あそこまで気持ち悪くはない(ちょっとだけグロい)。 おもしろいのは一見シリアスでありながら、微妙に笑いがこみ上げる点だ―― いやそれはないだろ、やるのか、そんなことはしないだろ、やるのか、 そこまではやらんだろ、やはりやるか、 もうやらないだろ、それはない、まずいって、だから、うわ、やってしまったか、 でももうやらんだろ、いややってしまうのか、やっちゃったよ、 けどさすがにそれはなあ、う、うわ、さらにさらにそうなっていくってか、 もうやめていいから、さすがにそこまではねえ、そこまではさすがにいかんだろ、 あっやっぱり、やっぱりそうなる、やっぱりそれをやる、やってしまうか、やれやれ……。 そういうホラーコメディっぽい映画なのである。 …

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