キューブリック&スピルバーグ・コーナー (一覧)

         Amazon   Book        /        A.I.   Artificial   Intelligence          【スタンリー・キューブリック】 「博士の異常な愛情」 ―ただの反核映画ではない― 『2001年宇宙の旅』の冷たいせりふをぬるくしてみる  ―せりふで遊ぶ(その17)― この名作は、なぜただの映画とは違うのか?  ―『2001年宇宙の旅』の海外レビューは語る― 「時計じかけのオレンジ」 ―似顔絵のような、人体模型のような、不快な映画― パワハラ野郎は、なぜ変われないのか?  ―『時計じかけのオレンジ』の海外レビューは語る― 「バリー・リンドン」 ―神の御業― 「シャイニング」 ―シャイニングの意味― 『シャイニング』のせりふで狂人の気分に浸る  ―せりふで遊ぶ(その6)― 一家惨殺事件は、なぜ起きるのか?  ―『シャイニング』の海外レビューは語る― 悪霊など存在せずダニーにも超能力はなかった!  ―『シャイニング』を切り刻む(一振り目の斧)― どのキャラも目がやたらとギラつくそのわけ!  ―『シャイニング』を切り刻む(二振り目の斧)― ジャックの思念はこう表現された!  ―『シャイニング』を切り刻む(三振り目の斧)― どうしてホテルの遠景画像に迷路がないんだ!  ―『シャイニング』を切り刻む(四振り…

続きを読む

書籍『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』  ―最高級の金太郎あめ製造機―

Amazon Book / SAVE THE CATの法則 *これは書評です。 最近、よくできてはいてもどこかしら似てる映画が多いなとは思っていた。 こういう指南書があるいは原因のひとつだったのかもしれない。 劇場公開時にとにかくヒットさせる掟が、自信たっぷり経験則たっぷりユーモアたっぷりに披露されている。 稼ぐためだけの方法ならばこれでいいのだろう。 ただ、クリストファー・ノーランの『メメント』がダメな例としてこき下ろされているのには違和感がある。 たしかに公開直後の稼ぎは悪かったが長い目で見ると失敗とは言いがたい。 予算900万ドルに対し全米で2500万ドル(全世界だと4000万ドル)の最終興収だから、そもそもひどい結果ではない。 ノーラン監督の人気の土台となった功績なども考えれば立派な作品だろう。 たとえヒット作であっても、フォーマット通り、マーケティング通りのものは一度見たら終わりだったりする。 どれだけ出来がよかろうがそれではむなしい。 多くの映画ファンは惚れこめるものがほしいのだ。 そして、人間同士がそうであるように惚れる相手はスペックでははかれない。 キャラはストーリーの中で必ず変化しなくてはいけないと著者は力説している。 「人生で成功するということは、変われるということなのだ」とまである。 一方で「この法則は不変であり、永遠のものなのだ」とも言う。 …

続きを読む

映画ジャンルと邦画についてのつれづれ雑記

本来映画のジャンル分けなどするべきじゃないのだろうが、内容の判断材料として最適なので、観客にとってはやっぱり必要だ。 各ジャンルは、それぞれ違った楽しみを見る者に与える。 ドラマは感動(シミジミ、またはウルウル)を、 アクションやアドベンチャーは活力(バリバリ、またはムリヤリ)を、 コメディは笑い(ゲラゲラ、またはニヤニヤ)を与えてくれる。 基本といえるこの三つがうまくそろったら最強! ロマンスやミュージカルは高揚(ドキドキ、またはドタバタ)か。 伝記、歴史、ドキュメンタリーは知識や教養(フムフム、またはウ~ムウ~ム)をもたらす。 うそやごまかしも多いので要注意の分野だが。 SFやファンタジーだったら未知の魅力(ワクワク、またはナニコレ)だろうか。 そして、ミステリー、スリラー、ホラーは不安や恐怖(ビクビク、またはギャーギャー)を与える。 あれ? そういやなんでそんなもんが求められるのか? 詳しいことは心理学の専門家などにおまかせするとして、その手の映画はとにかく空想性がヒジョーに強い。 空想・幻想系の分野は日本が得意だ。 IMDbのランキングでも、アニメ、黙示録、シュールものあたりには、邦画のタイトルがゾロゾロ入ってくる。 ウォッチモジョの「日本映画トップ10」にランクインしたベスト3なんか象徴的だ。 1位は『七人の侍』、2位は『千と千尋の神隠し』、3位は『ゴジラ』である。…

続きを読む

字幕と吹き替え、どっちが良いのか?

プレデターシリーズ久々の新作『ザ・プレデター』の公開に合わせ、シリーズ第一作目の新しいブルーレイディスクが発売されるらしい。 商品名は「プレデター〈製作30周年記念ニューマスター/日本語吹替完声版〉コレクターズ・ブルーレイBOX」。 なんと長い名前か! 覚えられないじゃないか! たしか、このタイトルは初BD化の際に画質が酷評されている。 その後リマスターで再発されたのだが、今回さらにニューマスターということなので気にはなる。 ファンはたまらないだろう。 テレビ放映版が2種収録されており、なおかつカットシーンの追加収録もされているから吹き替えファンも満足できる。 私は基本的に字幕派だが、吹き替えも嫌いではない。 吹き替え版は立派な映像文化であるという意見も十分理解できる。 だから両方あっていいのだが、映画ファンの中には純粋な字幕派や吹き替え派の方々がいるようで、ときに感情むき出しの応酬になることがある。 かわいそーなヤツ! 理解のないヤロー! てめーなんか死ね! みたいに罵り合ったりする。 アマゾンに参考になるレビューがあった―― 「音声のことですが、その作品を見て最初に気に入った時にどちらの音声だったか、というのが非常に大きなファクタなのではないかと思っています。 つまり、最初に劇場で英語音声日本語字幕で見て気に入った人は、日本語吹き替え版がなくてもあまり気にしない。 一方、最初に…

続きを読む

恵方巻でもめるルパン一味

アマゾン・CD「ルパン三世」 ルパン三世「恵方巻の売れ残りが大量に廃棄されてるのが問題になってるらしいな」 次元大介「最良の策は『買わないこと』だという極論がある。買うやつがいなけりゃ売ることはできない、だから最初から生産されない、ってわけだ」 峰不二子「ビッグデータの活用などで無駄が減っていくかもしれないけど、企業が仕掛けたそういう“新しい習慣の提案”ての、たくさんあるわね」 ルパン「『土用の丑の日のうなぎ』をはじめ、『クリスマスケーキ』『バレンタインチョコ』、食べ物以外だと『給料3か月分の婚約指輪』とかだな」 次元「オレには縁のないやつばっかりだ」 石川五ェ門「はやりものなどに初めから乗らないことだ。実にくだらん」 ルパン「だが、くだらないものはなくなりそうもねえな。オレもくだらないお宝だ~い好きだし」 次元「宣伝や広告、口コミを見えなくすればいい。帽子で目を隠すように」 ルパン「どうやって」 五ェ門「テレビや雑誌やネットなど、すべて禁止するのだ。情報や通信から離れ、皆が世捨て人になればいい」 不二子「それはムリ。世界と関わっていたいもの」 銭形警部「オレが逮捕してムショに入れてやる。そうすれば、全員立派な世捨て人だ」 次元「オレたちだけ世捨て人になっても意味ねえだろ」 ルパン「すぐ脱獄してテレビに出てやるけどな。泥棒やってるオレたちみたいなもんでも、それを望む好奇心や欲がある限り、…

続きを読む

巨大ロボットとラジオ体操をしたらどうなる?

オールポスターズ「ロボット」 老人ホームなどでロボットが人気という。 人と違い感情のないところが好評らしく、たとえば体操の指導をするロボットにあれこれ指示されても腹が立たないのだそうだ。 見てる相手がロボットなら失敗があっても恥ずかしくないし、つまりはプライドが傷つかなくて済むということだろう。 日本は巨大ロボが十八番である。 そこで大きなロボットたちが大きな広場に人を集めてラジオ体操をしようと思い立った。 高齢者相手の実演担当として、鉄人28号とジャイアントロボが選ばれた。 しかし、あちこちさびついていてギシギシうるさく、ときどき止まったり故障したりするため不評だった。 中高年向きの実演は、マジンガーZとゲッターロボだった。 まあまあ機敏な動作だったが、調子に乗ってロケットパンチやらトマホークやらをあちこち飛ばしたりすることで大勢に迷惑をかけた。 また、マジンガーは脳みその部分が外れたり、ゲッターは体がバラバラになったりしたため苦情が殺到した。 若年層には、ガンダムとエヴァンゲリオンだった(どのガンダムとか何号機のエヴァとかはこの際どーでもよろしい)。 ガンダムはうまくできない人に対し「坊やだからさ」と言うくせ、自らが間違っても「認めたくないものだな、自分自身の若さゆえの過ちというものを」とかぬかすので嫌われてしまった。 エヴァンゲリオンはみんなに「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げち…

続きを読む

ハン・ソロを倒すのにフォースはいらない

オールポスターズ「ハン・ソロ」 ルーク・スカイウォーカー「SNSの偽ニュースが問題になってるけど、アメリカの世論調査だと自分はだまされないと答える人が大半らしいね」 ハン・ソロ「振り込め詐欺もそうなんだよな。だが、被害者の多くがそういう自信家なのさ」 レイア姫「自分が判断するものなら大丈夫とうぬぼれてるから、ウソであっても一度信じちゃったら完全にだまされるようね」 ルーク「そして、大きなウソほどだまされやすい。だから、自信のある人が多いということは大きなウソを繰り返し伝えれば、ほとんどの人がだまされるってことじゃないかな」 レイア「当たり前とされている話の中にも、とんでもないものが潜んでるかもね」 ソロ「まあ、オレだけはだまされんがな。そうだ! 『ウソ保険』なんて商売はどうだ? ウソをつかれることで傷ついた心を救済する保険商品だ。フォースの力があれば、どの程度傷ついてるかわかるだろ」 レイア「う~ん、それよりフォースで癒やしたらどうかな」 ソロ「支払われた保険金をオレにくれれば復讐してやると持ちかける手もあるな」 ここで突如、ダース・ベイダーが登場。 ベイダー「私なら保険金を偽札で渡してやる。文句つけられても、これこそ本物で他の金がすべて偽物なのだと強弁すればいい」 ソロ「どこまでもウソをついて汚く生きようってわけか。おまえのフォースもウソだったりしてな。なんかのトリックとか催眠術とか」 ルーク、レ…

続きを読む

ティラノサウルスの憂鬱

オールポスターズ「恐竜」 ジュラシック・パークで生き残ったティラノサウルスが、子供たちのために自分でパークを運営しようと思い立ち、開業した。 メインはやはりティラノサウルスであるため、自ら出演することにした。 大きさだが、一般的な成体の体長は11~13mであり、自身も同程度であった。 ところが、子供たちは不満を漏らした―― 「もっと大きい方がいいよな」 ティラノサウルスはしっぽを地面に付けず体を水平にした姿であったとされており、自分もそうだったが、以前は立ち上がったような姿勢を取ると考えられていた。 それを知っている子もいた―― 「立ち上がった様子も見てみたいな」 ティラノサウルスの原始的な種に羽毛の跡が発見されていることから、少なくとも幼体には羽毛が生えていたのではないかと考えられるようになってきているため、羽を付けてみた。 が、ウケは悪かった―― 「ださいよね」 走行速度については、時速18km~70kmまでさまざまな説が唱えられているが、速い方がかっこいいだろうと思いそうした。 反応は鈍かった―― 「すぐ見えなくなっちゃうな。ゆっくり歩いてよ」 ティラノサウルスは腐肉を食べるだけでなく、積極的に狩猟を行っていたといわれるため、狩りをする姿を見せてみた。 意外な声がした―― 「狩猟もいいけど破壊をお願い」 集団を構成し社会生活を営んでいたのではないかとの見方も…

続きを読む

ガメラの時代はこうして終わった

オールポスターズ「モンスター」 昭和時代、ガメラとギャオスは映画撮影のないときに鉱山で採掘の副業をしていた。 自分たちが化石みたいなものであったため、鉱物関係の仕事を選んだのかもしれない。 仕事は鉱石の採掘と運び出しだが、分業などせず互いに何でもやっていた。 一方、同じ頃にゴジラとキングギドラも別の鉱山で汗を流していた。 こちらは資源の採掘と運び出しを手分けしてやっていた。 ゴジラが山を破壊して鉱石を掘り出し、ギドラがそれを背中に乗せて運ぶのだ。 ガメラとギャオスは破壊と飛行のどちらもできるが、ゴジラは飛べないため分業になったのである。 だが、そのせいで生産性は高かった。 単一の仕事を集中してこなし続けたことで、それぞれの受け持ち作業がうまくなったのだ。 そこで、ガメラとギャオスもまねすることにした。 ガメラが掘り、ギャオスが運ぶのだ。 ところが、互いの領域に口を出しにくくなったせいでコミュニケーション不足となり関係が悪化した。 もともと仲が悪かったこともあり、しばらくしてどちらも仕事をやめてしまった。 ゴジラとギドラはといえば、なんとかうまくやっていた。 仲は良くなかったが、互いの力量を認め合っていたからだ。 ゴジラにはバラゴン、ギドラにはラドンという部下もできたが、誰かを使う苦労の種もできた。 また、ギドラは首が三つあるためなかなか口うるさく、会議だの報…

続きを読む

『スター・ウォーズ』の哀れな高齢スターたち

オールポスターズ「スター・ウォーズ」 Jリーグ横浜FCのカズ(三浦知良)が49歳で契約を更新したニュースが話題になったことで、『スター・ウォーズ』の高齢スターたちが向こうを張った。 オビ=ワン・ケノービ「自分だって年齢など関係ない超人だ」 ダース・ベイダー「私を差し置いて偉そうにするな」 ルーク・スカイウォーカー「まあ、ボクが最も健康な騎士だろうね」 ヨーダ「ひよっこどもがほざくでない!」 そこへ、病院通いをしているどこかのおばちゃんがやって来た。 「あら、皆さんおそろいで。お体の調子はどう? 腰や膝の痛みは取れました?」 4人全員「えと、いや、まあ、なんとか……」 数日後、おばちゃんが病院へ行くとオビ=ワンがいたのでどこが悪いのか尋ねてみたが、逃げられてしまった。 おばちゃんはある患者さんの話を耳にはさんだ。 「柔道やってるせいか体中湿布だらけだってね、あの人」 別の日、おばちゃんは病院でベイダーと会ったのでどうしたのか尋ねてみたが、逃げられてしまった。 そして、患者さんの話を耳にした。 「どうしてもあの黒い服を脱ごうとしないからレントゲン取れないって、先生ボヤいてるんだって」 また別の日、おばちゃんはルークと顔を合わせたので尋ねてみたが、逃げられてしまった。 患者さんの話はこうだった。 「脂肪吸引したんだって」 またまた別の日、おばちゃんはヨーダを見つけた…

続きを読む

残酷を論じる『進撃の巨人』のエレンとミカサ

オールポスターズ「Attack on Titan」 大ヒット作品『進撃の巨人』を世に出したといわれる講談社エース編集者が、妻を殺害した容疑で逮捕されたことを聞き、同作の主人公である二人はこう語った―― エレン・イェーガー「この世界は残酷なんだ!」 ミカサ・アッカーマン「編集者が残酷だっただけで、世界が残酷ってわけでもないでしょ」 宇宙航空研究開発機構(JAXA)による世界最小クラスの衛星打ち上げロケットの打ち上げが中止されたことを聞き、二人はこう語った―― エレン「この世界は残酷なんだ!」 ミカサ「天候条件が悪かっただけで、世界が残酷ってことじゃないでしょ」 ドーピングで国際テニス連盟(ITF)から資格停止処分を受けていたマリア・シャラポワが、ツアー大会へ復帰する見通しとなったことを聞き、二人は語った―― エレン「この世界は残酷なんだ!」 ミカサ「資格停止処分はそうかもしれないけど、復帰できるんだからそれは残酷ってわけじゃないでしょ」 エレン「とにかく何が何でも残酷でなきゃダメなんだ!」 ミカサ「だからどうしてよ!」 エレン「残酷だからこそニュースになるし、作品だって売れるんじゃないか!」

続きを読む

旧ゴジラの時代はこうして終わった

オールポスターズ「ゴジラ」 米スポーツサイトが「ヤ軍史に残る偉大な日本選手たち」という特集を掲載し、1位にゴジラ松井が選ばれたという。 ちなみに、2位は田中、3位黒田、4位イチロー、5位伊良部である。 これにヒントを得て、本物のゴジラが「ゴジラ映画史に残る偉大な怪獣たち」を企画し、一般の人に投票してもらった。 結果は以下の通りである。 1位「シン・ゴジラ」 2位「キングギドラ」 3位「モスラ」 4位「モスラの幼虫」 5位「ガメラ」 ゴジラはほえた―― 「シン・ゴジラはあるのに、なんで普通にゴジラと書くやつがいないんだ!? もう昔のゴジラを忘れてしまってるのか? 誰だよ、モスラの幼虫とか入れてるの! ガメラはゴジラ怪獣じゃねーし! こりゃダメだ! 怪獣ファンだけを相手に再投票だ!」 結果は以下の通りである。 1位「シン・ゴジラ」 2位「キングギドラ」 3位「モスラ」 4位「ベビーゴジラ」 5位「メカゴジラ」 ゴジラは騒いだ―― 「だからなんでオレ様の名前がないんだ!? もう昔のゴジラは飽きたってことか? 誰だよ、ベビーゴジラとか入れてるの! メカゴジラは兵器だし! こりゃイカン! 怪獣同士の互選でやるしかない!」 結果は以下の通りである。 1位「シン・ゴジラ」 2位「キングギドラ」 3位「モスラ」 4位「アメリカのゴジラ」 5位「キングコング」 ゴジラは荒れ狂った―― 「どうなってん…

続きを読む

『マトリックス』のネオが見つけた限界に耐える方法

    Amazon    Poster    /    マトリックス     閉塞感の強い現代社会について、「もうみんな限界」と指摘した芸能人が話題になったという。だが、この男もまた限界を感じていた―― ネオ「仮想現実はうんざりだったから本当の現実世界に来たが、厳しい戦闘に参加するのはもう限界だ! 仮想の世界に戻りたい!」 コンピューターは願いを聞き入れ、ネオをマトリックスへ戻してやった。 それから一年後。 ネオ「ここでブラック企業にたたかれて働くのはもう限界だ! マトリックスをたたける現実にやっぱり帰りたい!」 反乱軍の仲間たちはネオを帰してやった。 そして半年後。 ネオ「おかゆの食事が貧しすぎてもう限界だ! もう一度コンピューター内で生きたい!」 またしても仮想空間に戻って一か月後。 ネオ「富裕層ばかりおいしい思いしやがってもう限界だ! みんな平等に貧しい現実が懐かしい!」 またもや現実界に帰って一週間後。 ネオ「なんだか知らんけど、あそこへ戻りたい!」 また仮想界に戻って一日後。 ネオ「どうも地に足がつかないのは性に合わんようだ。やっとわかった」 はっきり目覚め、最終的に現実の世でやっていくことにしてから半日後。 ネオ「やっぱり浮気したくなってきた……」 仲間たち「半日ほど行ってきたら? 後頭部にプラグ挿すだけだし。それくらいだったら毎日でもいいんじゃない?」 そして、ネオは…

続きを読む

日本沈没が明らかにするお金の真実

         Amazon    Video          /          日本沈没          阪神大震災から22年を迎えた日、3人の男が集い言葉を交わした。 地球物理学者・田所博士「日本は地震国家というのに、まだ地震保険に入っていない人が多いらしい。起きたら大変でも、まさかと思うようなことには気が乗らないのかね。俺はしっかり契約してるぞ」 深海調査艇操縦者・小野寺「まさかの事態といえば、私はがん保険にも入ってます」 政界のフィクサー・渡老人「どっちも入っとらんな。貯金いっぱいあるから」 しばらくして実際に大地震が起き、田所博士の自宅は全壊したことで保険金が支払われた。 ところが、少子高齢化のせいで業者が不足しており建て直しは何年も先延ばしになった。 そのうち博士は死んでしまいお金を使う思いは水泡に帰したが、博士の息子が資産を相続した。 小野寺は実際にがんになり、保険金(給付金)が下りた。 しかし、すぐに逝ってしまった。 お金を使う思いは水泡に帰したが、息子が資産を相続した。 渡老人はお金持ちだったが、具合が悪く消費の機会は限られた。 貯金は使わないまま死に、いつかお金を使おうという思いは水泡に帰したが、娘が資産を相続した。 博士の息子は親と同じく科学者になったが同様にマッドな面があり、妙な研究で散財してしまいお金は水泡に帰した。 小野寺の息子は親と同じく冒険事に関心があって散…

続きを読む

読者による小説作品をご紹介

当ブログの読者で小説サイトに投稿している方の作品をリンクを張って紹介します。 『頂上決戦 ゴジラVSガメラ』 (宮武著) 文字通りゴジラとガメラの激闘を描く貴重な作品です。現在、「完全版」を準備中だそうです。 『多層霊界』 (知隆ひしろ著) サイト内では「ホラー・オカルト」のジャンルに入っていますが、「ファンタジー」「ミステリー」「スリラー」「クライム」「ドラマ」などの要素もあります。『デスノート』が好きな人なんかにお薦めです。

続きを読む

悪役たちの黒く真っ黒くドス黒いせりふをしゃぶる💀  -せりふで遊ぶ(その32)-

悪役のせりふを集めたIMDbのページから面白そうなものを選びました。 そのままでは分かりにくいかもしれない箇所にはいくらか手を加えています。 一部を除きビデオなどで確認しているわけではありませんから間違った解釈をしている場合があるかもしれませんが、もしもあったらごめんなさい。 この企画は新春にふさわしいものなのかどうか、ちょっと疑問もありますが(^_^;)。 💀『ダークナイト』のジョーカー 「混沌とは何か知ってるか? 公平ということさ」 Amazonビデオ「ダークナイト」のページヘ 💀『マトリックス』のエージェント・スミス 「人間は病気そのものだ。この星のがんだ。疫病みたいなおまえらを、われわれが直してやっているのだ」 Amazonビデオ「マトリックス」のページヘ 💀『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』のダース・ベイダー 「恐怖を抑えているな。では、怒りを解き放て。恐怖なくして私を打ち砕けるものは憎悪しかない」 Amazonビデオ「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」のページヘ 💀『ノーカントリー』のアントン・シガー 投げたコインの裏表を当てたら逃してやると言う殺人鬼のシガーに対し答える女「決めるのはコインじゃない。あなたでしょ」 シガー「いや、俺とコインは同じものだ」 Amazonビデオ「ノーカントリー」のページヘ 💀『ディア…

続きを読む

IMDbなんでもランキング (一覧)

           アマゾン         /         アプリ            各記事でIMDbページへのリンクを張っていますが、ページ内容は変化するため紹介するランキングと異なる場合があります。 【アクション】 FBI映画 決死の30作品 007映画 悩殺の25作品+1 007映画 悩殺の27作品 テロ映画 恐悪の30作品 古代冒険映画 肉弾の30作品 カーアクション映画 爆騒の30作品 DCコミックス映画 スーパーバットな33作品 DCコミックス映画 ワンダーバットな35作品 マーベル・コミック映画 アイアンアメリカな48作品 マーベル・コミック映画 アイアンスパイダーな67作品 ヤクザ映画 たけしとたかしの30作品 ガンファイト映画 狂弾の30作品 海洋アドベンチャー映画 海遥の30作品 ジャングルアクション映画 密凜の30作品 潜水艦映画 深絵の30作品 殺し屋アクションスリラー映画 殺死の30作品 ミリタリー映画 火撃の30作品 忍者アクション映画 忍微の30作品 摩天楼アクション映画 層階の30作品 【ドラマ】 第二次大戦映画 必見の30作品 サバイバルドラマ映画 悪闘戦苦の30作品 サスペンス映画 震撼の30作品 ビジネス映画 映利の30作品 ディストピア・ドラマ映画 荒涼の…

続きを読む

TV番組『星新一ショートショート』の一話「ネコ」に思う、愚かな政治家のこと

アマゾン・DVD「星新一 ショートショート」 NHKで放送されたことのある星新一作品の映像化番組『星新一ショートショート』の中に「ネコ」という一話(アニメ)があります。 ある日地球に、どの星の生物とも話せる道具を持って宇宙平和維持局の者たちが訪れます。そしてある家のあるネコと話をするのです。 彼らの仕事は星々を回り平和な星とそうでない星を区別して記録を取ることなのだそうですが、ネコは飼い主の人間を奴隷呼ばわりしこんなことを言います―― 「あれでなかなかよくまじめに働いてくれるわ。家を掃除したり、私の食事の準備をしたり、とても便利な生き物よ」 「でも支配する側にも仕事はたくさんあるわ。昼寝や毛繕いに散歩、ネズミという生き物を追いかけたり、猫じゃらしという草に飛びついてみたり……」 宇宙人は「あなたのような平和的な種族が支配する星はいままで見たことがありません。どうぞいつまでも支配を続けるようお願いいたします」と言い、ネコは「もちろんそのつもりよ」と返すのです。 飼い主のつもりでいる人間が実はペットにいいように振り回されているという、のんびり調ではあるものの笑えない一編です。 これは政治家と国民の関係をほのめかす寓話にも見えるのですが、政治家たちの内面を探る上でちょっと参考になる作品かもしれません。 さて本題です。 先日自民党の某国会議員が、新聞のインタビューである問題についてこう発言しました―― 「…

続きを読む

高畑勲監督の話とパン屋さんの話

『宮崎駿とジブリ美術館』というDVDの中で、スタジオジブリの高畑勲監督がこんな発言をしています―― 「宮さん(宮崎駿監督)は無理やりこしらえてるんじゃないんですね。特別のどこにもないような空間をファンタジーだから作ろうってやってるのは非常に少ないですね。ほとんどないんじゃないかな。どこかにあるようなものを使ってるんです」 「それをどう構成してどう面白く見せるかってことをやってるわけです。基本的には一つ一つを見たら実際あるようなものなんです」 ――宮崎アニメの大変な独創性に感動していただけに、「ヘー、そうだったのか」と素直に驚きました。 思い出すのが、イノベーションについて書かれたある新聞記事です―― 「資本主義経済が変化、進化するプロセスは、戦争や新大陸の発見といった一回限りの事象によってもたらされるのではなく、『新結合』によってもたらされる」 「新しい製品を生産する、あるいは既存の製品を新しい方法で生産するには、生産要素を従来とは異なるやり方で組み合わせなければならない」 「この『新結合』がまったく異なる変化をもたらしている場合が、イノベーションなのである」 ここで、なぜかパン屋さんの話です。 私は昔パン屋さんで職人の見習いをしていたことがあるので知っているのですが、パンというものは基本的に、「小麦粉、砂糖、卵、バター」の配合によって多種類の生地が作られます(フランスパンは通常小麦粉だけですが)。 他にも…

続きを読む

北野映画のレビューに垣間見える海外の日本人観  ―IMDbレビューをレビューする(第18回)―

   Amazon  Book   /   映画監督、北野武。   私は北野武監督の作品が基本的に好きなのですが、海外のレビューを読んでいると、北野映画そのものだけでなく日本や日本人について論評している文章をよく見掛けます。 そこで、その中から気になる部分を選んで紹介しようかと思います。 褒めているもの、耳障りなもの、ジョークまたは誤解しているように感じられるもの、などなど多くの意見がありますが、何かの意図に従って選択したわけではありません。 映画を見ていないとピンとこない場合もあるでしょうが、印象に残ったものはすべて列挙します。 各文には、そのレビューが投稿された年度とレビュアーさんの居住国も記しています(不明の場合は未記入)。 読んでもらえば分かりますが、北野作品はどうやらとても「日本的」であるようです。 北野武監督作品のリスト(IMDbより) 『その男、凶暴につき』のレビューより 「欧米の観客は物語のテンポが遅いことでついていくのが楽ではないかもしれないが、日本映画の中ではとっつきやすい一本である」(1999年・オランダ) 『ソナチネ』のレビューより 「人生のはかない瞬間に存在する美、命のもろさ、自然の素晴らしさ、そして自己犠牲や献身的行為に表れる人間の魂の美しさ――これらが表現される本作は、極めて日本的な映画である」(2000年・ロシア) 「私は日本社会の専門家ではないが、本作は、毎…

続きを読む