映画『ルパン三世 カリオストロの城』は今、どう見られているのか?  ―人気作の現在地(アニメ&ファンタジー編2)―

Amazon Video / ルパン三世 カリオストロの城    邦題: ルパン三世 カリオストロの城    英題: Lupin III: The Castle of Cagliostro   公開年: 1979年  収録時間: 100分  IMDb評点: 7.6  私的評価: 9.1  ジャンル: アニメーション、アドベンチャー、コメディ、ファンタジー   出演者: 山田康雄、増山江威子、小林清志、井上真樹夫、納谷悟朗、島本須美、石田太郎    監督: 宮崎駿    概要: 「ルパン三世」の劇場版2作目にして、宮崎駿監督の劇場映画初監督作 2017年以降に投稿されたIMDbレビューから10本紹介します。 そのあとにコメントを記しています。 【これをつくった人たちは……】 「1970年代後半のころにこの映画をつくった人たちを心から尊敬する。彼らはすごい仕事をした」 【アクションがどんどん……】 「私はアニメ、とくに長編アニメにはじつにうるさい。集中力に欠陥のある人間だからストーリーに15分集中できないだけで見るのをやめたりする。 しかし、カリオストロの城はそうではなかった。 最初のシーンから引きこんでくるクレイジーなアクションがどんどん盛り上がっていく!」 【まるで儀式のような……】 「CGが飽和状態を超えたこの時代にカリオストロの城を見るのはまるで浄化される儀式…

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映画『もののけ姫』は今、どう見られているのか?  ―人気作の現在地(アニメ&ファンタジー編1)―

        Amazon  Music     /     もののけ姫            邦題: もののけ姫    英題: Princess Mononoke   公開年: 1997年  収録時間: 133分  IMDb評点: 8.3  私的評価: 9.2  ジャンル: アニメーション、アドベンチャー、ファンタジー   出演者: 松田洋治、石田ゆり子、田中裕子、小林薫、美輪明宏、森光子、森繁久彌    監督: 宮崎駿    概要: タタリ神による呪いのせいで村を追われた少年が山犬に育てられた少女と出会い、人と森との争いにもまれながらたくましく成長していく 2024年以降に投稿されたIMDbレビューから10本紹介します。 そのあとにコメントを記しています。 【30年近くたつのに……】 「ジブリ映画祭をやっている劇場ではじめて鑑賞したのだが1990年代の映画を見ている気がしなかった。初公開から30年近くたつのに。 この映画は観客をすぐに引きこむ。冒頭のシーンは物語のすべてを動かす鮮やかで爽快なアクションだ」 【まるであの映画のような……】 「進行するにつれ、まるで「ロード・オブ・ザ・リング」のようなファンタジー・アドベンチャーにも感じられた」 【もしも自然界が……】 「脚本は説教くさいとされそうなメッセージを含んでいながらも、決してそうは見えない。 われわれは…

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映画『Flow』  ―2024年全米興収トップランク作品(SF&ファンタジー編2)―

             Amazon   Music           /           Flow                   邦題: Flow      原題: Straume(英題:Flow)     公開年: 2024年    収録時間: 85分    IMDb評点: 7.9    ジャンル: アニメーション、アドベンチャー、ファミリー、ファンタジー      監督: ギンツ・ジルバロディス      概要: オープンソースのソフトウェアで完全にレンダリングされた、せりふのない動物冒険物語。原題はラトビア語。映画賞総ナメ状態の話題作 IMDbのレビューから6つ紹介します。 【その1】 「大洪水によって生活がひっくり返ってしまったネコのお話である。 ネコは洪水のあと、多様な動物たちと思いもよらない同盟をむすぶことになる。 カピバラ、鳥、キツネザル、そしてイヌと、感動的な関係になっていくのだ。 設定はまったくユニークでこれまでに見たことのないものだ。アニメの世界に新鮮で奇抜な工夫をもたらした。 私の目をはっきり引いたのは、それぞれの動物たちの動きや交流を描くうえで細部にまで注意が行き届いていることだ。 各々の種の特性に間違いがないようにするため、クリエイターたちは明らかに広範囲の調査を行っている。 結果、正確なだけでなく信じられないほどに魅力的なアニメーションとなった。 …

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映画『ウィキッド ふたりの魔女』  ―2024年全米週末興収トップ10作品(SF&ファンタジー編9)―

      Amazon  Poster   /   ウィキッド  ふたりの魔女            邦題: ウィキッド ふたりの魔女      原題: Wicked: Part I     公開年: 2024年    収録時間: 160分    IMDb評点: 8.1    ジャンル: ファンタジー、ミュージカル、ロマンス     出演者: シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ、ジョナサン・ベイリー、ピーター・ディンクレイジ、ミシェル・ヨー、ジェフ・ゴールドブラム      監督: ジョン・M・チュウ      概要: 児童文学『オズの魔法使い』に基づく小説『オズの魔女記』と同作を舞台にした『ウィキッド』を映画化した、悪い魔女と良い魔女の友情物語 ランクイン回数: 3回(12月8日時点) IMDbのレビューから3つ紹介します。 【その1】 「音楽に大きな期待を寄せていたのだが、その語り、演技、編集、視覚効果によりいっそう感銘を受けた。 脚本にはたくさんの驚くべきディテールがある。いくらかの単語に見られる奇妙な言葉遣いにいたるまで。 それによって本作は2024年屈指の一本となり(オスカーの候補は確実だ)、史上最高クラスのミュージカル映画となった。 来年のパート2の劇場公開が待ちきれない。その前にまたブロードウェイでの公演を見に行くことになるかもしれない。 つけ加えると(ささいなことではない)、ここ…

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映画『かたつむりのメモワール』  ―2024年全米興収トップランク作品(ドラマ編12)―

     Wikipedia   /   Memoir of a Snail           邦題: かたつむりのメモワール      原題: Memoir of a Snail     公開年: 2024年    収録時間: 95分    IMDb評点: 8.1    ジャンル: アニメーション、ドラマ     出演者: サラ・スヌーク、コディ・スミット=マクフィー、エリック・バナ、ジャッキー・ウィーヴァー      監督: アダム・エリオット      概要: カタツムリのグッズを集める趣味をもった幸薄い女性を描く、オーストラリア映画のストップモーションアニメ IMDbのレビューから3つ紹介します。 【その1】 「かわいらしく見えるキャラたちとクレイアニメーションにだまされてはいけない。 これは子どもの映画ではない。むしろ大人に向けたストーリーである。 仲間はずれ、消沈、そして厳しく容赦ないこの世界に所属する感覚—— そういった身を押しつぶすテーマを取り上げている。 (中略) また映画では、主人公のグレースがカタツムリに特別な親近感をもつのは、外から殻に閉じこもるその能力のせいであることが示される。 彼女が問題から隠れたいとき、いつだってそこには自分と似た姿があるのだ。 (中略) より扱いにくくなっているご時世だから、こういった映画を見ると励みになる。 人生、面倒事に囲まれ…

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映画『野生の島のロズ』  ―2024年全米週末興収トップ10作品(SF&ファンタジー編6)―

          Amazon  Book         /         野生の島のロズ                邦題: 野生の島のロズ      原題: The Wild Robot     公開年: 2024年    収録時間: 102分    IMDb評点: 8.5    ジャンル: アニメーション、SF     出演者: ルピタ・ニョンゴ、ペドロ・パスカル、キット・コナー、ビル・ナイ、ステファニー・スー、マーク・ハミル、キャサリン・オハラ      監督: クリス・サンダース      概要: 無人島で座礁した貨物船に積まれていたロボットが島の動物たちと交流しながら生き延びていく ランクイン回数: 3回(10月13日時点) IMDbのレビューから5つ紹介します。 【その1】 「驚くほどに美しい映像から心温まるストーリーまで、共感とつながりと所属することの意味について力強いメッセージを伝えている」 【その2】 「終始まったく見事である。色彩と活力でスクリーンを満たす魔法的魅力や無類の美しさがいっぱいだ。 ほんとうに、モネの絵画でつくったスタジオジブリのアニメのようだ」 【その3】 「生き残るには本来の自分を超えなければならないときもあると、この映画は示している」 【その4】 「観客の心をあやつったり不必要にその琴線を引っぱったり…

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映画『インサイド・ヘッド2』  ―2024年全米週末興収トップ10作品(SF&ファンタジー編5)―

 Amazon  Poster  /  インサイド・ヘッド2       邦題: インサイド・ヘッド2      原題: Inside Out 2     公開年: 2024年    収録時間: 96分    IMDb評点: 7.9    ジャンル: アニメーション、アドベンチャー、コメディ、ドラマ、ファミリー、ファンタジー     出演者: ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、シンパイ、イイナー、ハズカシ、ダリィ      監督: ケルシー・マン      概要: 少女の内面の感情を擬人化したキャラたちを描いた『インサイド・ヘッド』の続編。少女が成長したことで新たなキャラが登場する ランクイン回数: 3回(6月30日時点) IMDbのレビューから2つ紹介します。 【その1】 「この続編映画は子ども向けにつくられたアニメなのかもしれないが、大人にとっては違う衝撃がはっきりある。 成人や精神状態の悪い者に対してできている面もある映画と言える。 年を取ることのつらさを観客に思い出させるのだ。考えすぎると他のすべてにどんな影響が及ぶのかや、今日した決断がどう明日に響くのかも。 一方、問題、恐れ、心配、不安はなくせないことにもしっかり気づかせる。 それらは避けられないものばかりだ。ただ何にでも終わりはある。 深呼吸して落ち着こう。何であろうが大げさにするのはやめよう。穏やかな心をもてば考え方も…

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映画『ねこのガーフィールド』  ―2024年全米週末興収トップ10作品(コメディ編8)―

 Amazon  Poster  /  ねこのガーフィールド       邦題: ねこのガーフィールド      原題: The Garfield Movie     公開年: 2024年    収録時間: 101分    IMDb評点: 5.8    ジャンル: アニメーション、アドベンチャー、コメディ、ファミリー、ファンタジー     出演者: クリス・プラット、サミュエル・L・ジャクソン      監督: マーク・ディンダル      概要: 長らく行方不明だった父親と再会したネコのガーフィールドが強盗を手伝わされることになる。人気マンガ『ガーフィールド』の映画化作品 ランクイン回数: 3回(6月9日時点) IMDbのレビューから3つ紹介します。 【その1】 「月曜日が嫌いでラザニアを愛する主人公ネコの生まれ育ちが語られる。ガーフィールドの声を演じるのはクリス・プラットだ。 これを見れば、彼が幼少期に父親(サミュエル・L・ジャクソン)と離れ離れになったいきさつがわかる。 その後、どんなふうに飼い主になるジョンとジョンの飼い犬オーディのいる家に転がりこんだのかも。 父親がやってきて彼に助けを求めたために、家猫だったガーフィールドは外の世界で冒険をはじめることになるのだ」 【その2】 「子どもたちにはバカ受けする映画だ。大好物が全部ある。 こころをつかむシーン。はしゃぎまくる…

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映画『ブルー きみは大丈夫』  ―2024年全米週末興収トップ10作品(SF&ファンタジー編4)―

   Amazon  Flyer    /    ブルー きみは大丈夫         邦題: ブルー きみは大丈夫      原題: IF     公開年: 2024年    収録時間: 104分    IMDb評点: 6.7    ジャンル: アニメーション、コメディ、ドラマ、ファミリー、ファンタジー     出演者: ケイリー・フレミング、ライアン・レイノルズ、ジョン・クラシンスキー、フィービー・ウォーラー=ブリッジ、ルイス・ゴセット・ジュニア、スティーヴ・カレル      監督: ジョン・クラシンスキー      概要: 子どもの空想上の友だち(イマジナリー・フレンド)の姿形が見える少女と彼女の隣人が、役割を終えたイマジナリー・フレンドたちに新たな子どもを見つけてあげる活動をする ランクイン回数: 3回(6月2日時点) IMDbのレビューからひとつだけ紹介します。 「最初の30分間は見るだけ時間の無駄なのではと感じさせられた。そう認めるほかない。 映画が訴求しようとしている膨大なターゲット層に合っているのかと困惑もした。 もしかしたら改善すべき点があるのかもしれない。 第2幕がはじまると、キャラたちへのはまり方がだんだんと強まってきた。 とはいえ、欠陥がありそうなストーリーや客層の問題への疑念は拭えずにいた。 第3幕で明らかにまとまりがよくなり、はるかにうなずけるものになりはじめた。 …

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映画『マーズ・エクスプレス(仮題)』  ―2024年全米興収トップランク作品(SF&ファンタジー編1)―

         Amazon   Music        /        Mars   Express               邦題: マーズ・エクスプレス(仮題)      原題: Mars Express     公開年: 2023年    収録時間: 88分    IMDb評点: 7.5    ジャンル: アニメーション、アクション、ミステリー、SF、スリラー     出演者: リー・ドラッカー、マチュー・アマルリック、マルト・ケラー      監督: ジェレミー・ペリン      概要: 舞台は23世紀の火星。私立探偵とパートナーのアンドロイドが行方不明のハッカーを捜そうと暗黒街に足を踏み入れる IMDbのレビューから4つ紹介します。 【その1】 「未来世界にどっぷり漬かれる。 『マトリックス』、『アイ,ロボット』、『ターミネーター』、『ブレードランナー』、そして『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』といった伝説的なSF作品の要素を見事にミックスしたこのアニメを見れば。 上記の名作群を利用しつつも、自力で斬新な独自分野をつくり上げている」 【その2】 「世界観の構築こそがまさしくこの映画を高めている。 テレビシリーズにする価値のあるネタを1時間半の映画に圧縮している感があるもうまくいった。それも驚くほど。 考え抜かれた世界であり、すべてがよくま…

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映画『農民』  ―2024年全米公開掘り出し物作品(ドラマ編3)―

         Amazon   Music        /        The  Peasants               邦題: 農民      原題: Chlopi(英題:The Peasants)     公開年: 2023年    収録時間: 114分    IMDb評点: 8.0    ジャンル: アニメーション、ドラマ、歴史     出演者: カミラ・ウルジェンドフスカ      監督: DKウェルチマン、ヒュー・ウェルチマン      概要: 時代は20世紀の変わり目。ポーランドの農村にすむひとりの美しい女性が男たちに翻弄される一年が独特のアニメーションで描かれる IMDbのレビューから5つ紹介します。 【その1】 「絶対的にものすごい映像であることをまずは言わせてほしい。 衝撃がまだまだ冷めない。これは油絵でできた映画なのだ。 ポーランド映画と知る私の胸は誇りでいっぱいである。息をのむようなポーランドの田舎の風景で心に喜びと郷愁が満ちるばかりだった。 明暗が、色彩が、それぞれのシーンにおけるあらゆる事物の配置が、じつにうまくいっている。それらの映像のおかげで成功したのだ。 活力と独創の音楽を伴うなんとも楽しい鑑賞だった。 かなりむき出しの映画で、手の入っていないポーランドの文化を相当程度見せている。美も醜も」 【その2】 「昔のポーランドに関する…

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映画『FLY!/フライ!』  ―2024年全米週末興収トップ10作品(コメディ編1)―

           Amazon   Music       /       FLY! フライ!                 邦題: FLY!/フライ!      原題: Migration     公開年: 2023年    収録時間: 83分    IMDb評点: 6.8    ジャンル: アニメーション、アクション、アドベンチャー、コメディ、ファミリー、ファンタジー     出演者: クメイル・ナンジアニ、エリザベス・バンクス、キーガン=マイケル・キー、オークワフィナ、ダニー・デヴィート      監督: バンジャマン・レネール      概要: アメリカのニューイングランド地方に棲むマガモ一家が、心配性の父親を説得しジャマイカへ移住しようと飛び立つ ランクイン回数: 3回(1月7日時点) IMDbのレビューから3つ紹介します。 【その1】 「おなじみながらも教育的な作風のストーリーをつづる優れたアニメーション映画だ。どれもがカモの視点からだが移民の尊厳について手本を示す内容となっている。 映像はものすごい。見事なビジュアルだ。キャラクターデザインももちろん素晴らしい。 声優陣のはたらきは申し分ない。自分たちの個性をはっきり出して、キャラたちに強烈な魅力をもたらしている」 【その2】 「美しい風景描写だ。そこが気に入った。考えるまでもない。水彩画風の木々が最高だった。 ま…

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映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』  ―2023年全米週末興収トップ10作品(SF&ファンタジー編10)―

Amazon Poster / ウォンカとチョコレート工場のはじまり      邦題: ウォンカとチョコレート工場のはじまり      原題: Wonka     公開年: 2023年    収録時間: 116分    IMDb評点: 7.3    ジャンル: アドベンチャー、コメディ、ファミリー、ファンタジー、ミュージカル     出演者: ティモシー・シャラメ      監督: ポール・キング      概要: 若いが貧しい天才職人ウィリー・ウォンカがチョコレートで名高い町に店を開くことを夢見るも思わぬ敵が立ちはだかる ランクイン回数: 3回(12月31日時点) IMDbのレビューから5つ紹介します。 【その1】 「ティモシー・シャラメのウィリー・ウォンカには暗い鋭さがほとんどないが、映画の目的を考えるとまるで問題ではない。 彼のウォンカにはばかみたいな無邪気さと純粋なモラルがある。 そこに独自の発声と動作でシャラメが伝える特異性が伴う。高いレベルのだ。 いつもの彼の役と比べるとなかなかの方向転換である」 【その2】 「じつに大げさでやりすぎな演技だ。かつて目にした1980~90年代タイプのコメディと似ている。 おどけた表現のキャラたちには新鮮な息吹があった。とりわけ悪役どもだ。最高度の誇張がある。 『パディントン』をつくったこの監督は本作の悪役3人を実写化されたマン…

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映画『君たちはどう生きるか』  ―2023年全米週末興収トップ10作品(SF&ファンタジー編9)―

Amazon Book / THE ART OF 君たちはどう生きるか      邦題: 君たちはどう生きるか      英題: The Boy and the Heron     公開年: 2023年    収録時間: 124分    IMDb評点: 7.7    ジャンル: アニメーション、アドベンチャー、ドラマ、ファミリー、ファンタジー     出演者: 山時聡真、菅田将暉、あいみょん、柴咲コウ、木村佳乃、木村拓哉      監督: 宮崎駿      概要: 一切の宣伝がされないことで話題になった宮崎駿監督の半自伝的ファンタジー ランクイン回数: 3回(12月24日時点) IMDbのレビューから10点紹介します。 【その1】 「深みがある。ストーリーに。キャラクターに。音楽に。声に(日本語のままがずっといい)。とりわけ、美術に」 【その2】 「全貌を把握するには再鑑賞が必要だろう。劇中の世界がなぜそうなっているのか、登場人物たちはどうしてそんなふうなのか、それを十分に理解するには」 【その3】 「喜劇的要素がおそらくは本作の強みだ。記憶にあるこれまでの宮崎作品以上にストレートな笑いがある」 【その4】 「監督自身の遺産とその成長に貢献してきたスタジオへの声明になっている、そんな印象を受ける人もいそうな場面がある」 【その5】 …

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映画『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』  ―2023年全米週末興収トップ10作品(アクション編…

Amazon Book / The Art of Teenage Mutant Ninja Turtles      邦題: ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!      原題: Teenage Mutant Ninja Turtles: Mutant Mayhem     公開年: 2023年    収録時間: 99分    IMDb評点: 7.5    ジャンル: アニメーション、アクション、アドベンチャー、コメディ、ファミリー、ファンタジー、SF     出演者: シャモン・ブラウン・Jr、ニコラス・カントゥ、ブレイディ・ヌーン、マイカ・アビー      監督: ジェフ・ロウ      概要: アメコミを原作とする「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」のリブート作品。特殊能力をもった4匹のカメが活躍する ランクイン回数: 3回(8月20日時点) IMDbのレビューから2つ紹介します。 【その1】 「はじめて本物のティーンの役者たちをタ-トル役に採用したところが気に入った。 彼らに同時録音させたことで、自然ではあってもときに混乱する読み解きにくい会話が生まれた。 彼らの師であるスプリンターは父親らしいキャラになっており、厳しいセンセイ(教師)としての役割が弱まっている。 メインの悪役スーパーフライはまずまずの出来で生い立ちもちょっと語られる。最初こそ多少は好ましい男だがか…

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映画『THE FIRST SLAM DUNK』  ―2023年全米興収トップランク作品(ドラマ編10)―

    Amazon   Music   /   THE  FIRST  SLAM  DUNK          邦題: THE FIRST SLAM DUNK      英題: The First Slam Dunk     公開年: 2022年    収録時間: 124分    IMDb評点: 8.4    ジャンル: アニメーション、コメディ、ドラマ、スポーツ     出演者: 仲村宗悟、笠間淳、神尾晋一郎、木村昴、三宅健太      監督: 井上雄彦      概要: 原作者が監督と脚本を担当した人気マンガの映画化。バスケットボールのインターハイ2回戦で、神奈川県代表・湘北高校が絶対王者の秋田県代表・山王工業に挑む IMDbのレビューから2つ紹介します。 【その1】 「作画技術のレベルについて言うと、3Dアニメの動きと原作マンガにあったスタイルのバランスが申し分なく取れていた。バスケの試合にほんとうに参加している気になれる。 映画全体として細部への配慮はたいへんなものでまったくすごい技を見せられた。その点、監督とスタッフチームにブラボーだ。 音楽は映画に力感を与える最適なものだった。 原作マンガの筋を知る人には同じ結末だろうがコピペというわけではない。まるで異なる切り口とつじつまをしっかり合わせた追加分のストーリーの下で、同じことを楽しめる。 井上雄彦の手によるキャラクター間の人間関係はよかった…

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映画『ルビー・ギルマン、ティーンエイジ・クラーケン』  ―2023年全米週末興収トップ10作品(SF&ファンタジー…

  Amazon  Music  /  Ruby Gillman, Teenage Kraken        邦題: ルビー・ギルマン、ティーンエイジ・クラーケン      原題: Ruby Gillman, Teenage Kraken     公開年: 2023年    収録時間: 91分    IMDb評点: 5.8    ジャンル: アニメーション、アクション、アドベンチャー、コメディ、ファミリー、ファンタジー     出演者: ラナ・コンドル、トニ・コレット、ジェーン・フォンダ      監督: カーク・デミッコ、ファリン・パール      概要: 海洋生物クラーケンの子孫でありながら人間の学校に通うティーンがある日、自分が海の女王の座を継ぐ運命にあることを知る ランクイン回数: 2回 以下のレビューは、「全米週末興収トップ10」の記事で紹介したIMDbレビューを転載したものです(【その3】は追加分)。 【その1】 「子どもたちにとって最高の映画である。とりわけ、あなたのお子さんが他と異なることで人から気にされてると思っているのなら。 差異を隠して人間たちの中でうまくやっていこうとするクラーケンの女子(通常は脚本になりそうもないたいしたアイデア)が主役の作品だ。 ここには日常同じ苦難に見舞われている子どもたちに向けたたしかな教訓がある。 違いを気にする子でもその違いが強烈なすごい力にもなるとわか…

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日本製作映画 トップ100《ジブリ版》

   Amazon  Book   /   スタジオジブリ全作品集    日本が製作国の映画をランキングにしたコーナーのまとめ(ジブリ作品のみバージョン)です。 タイトルにはウィキペディアへのリンクを張りました。 写真はアマゾンからのもので、それぞれに該当ページへのリンクを張っています。 以下、内容について説明します。 ランキングはIMDbユーザーによる評価点の高い順になっており、同ユーザーによるレイティング投票数1万件以上の条件で抽出しています。 ( )内は公開年です。 IMDbの上位レビューから一文を選んで併記しました。 以下のページに基づいて作成していますが、使ったのは2020年5月18日時点のランキングです。 Feature Film, Rating Count at least 10,000, Japan (Sorted by IMDb Rating Descending) 【2位】『千と千尋の神隠し』(2001年) 「宮崎駿監督は動画上の役者たちに見たこともないほどの繊細さを吹き込んだ。アニメーションの巨人ピクサーだってやっていない。 始まって20分もしたら、彼らがアニメのキャラであることを私はすっかり忘れた。本当に息をして生きている人間みたいに大切に思うようになってしまった」 【4位】『火垂るの墓』(1988年) 「ピクサーやディズニーはハッ…

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映画『マイ・エレメント』  ―2023年全米週末興収トップ10作品(SF&ファンタジー編6)―

        Amazon    Music       /       マイ・エレメント              邦題: マイ・エレメント      原題: Elemental     公開年: 2023年    収録時間: 101分    IMDb評点: 7.1    ジャンル: アニメーション、アドベンチャー、コメディ、ドラマ、ファミリー、ファンタジー、SF     出演者: リア・ルイス、ママドゥ・アティエ      監督: ピーター・ソーン      概要: 土・水・火・風の四大元素が擬人化された街で、気性の荒い火の少女と流れに逆らわない水の少年が恋をする ランクイン回数: 3回(7月2日時点) 以下のレビューは、「全米週末興収トップ10」の記事で紹介したIMDbレビューを転載したものです。 【その1】 「おもに火の要素である少女エンバーと水の要素である少年ウェイドの関係に焦点を合わせている。 2人の関係が全編を通し異文化間の対立の寓話になっているのだ。 かなり独創的なアイデアである。 といってもこの寓話そのものが少々鼻につきすぎるときもある。 全体として異文化間の人間関係についてなかなか良いメッセージを伝えている。 ただ、それでも同じ構想を扱った『ズートピア』のほうがずっとよくできていたと言いたい。 映画の中心にある恋物語はどうかというと、エンバーとウェイドのロマンスは最後…

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映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』  ―2023年全米週末興収トップ10作品(アクション編10…

Amazon Poster / アクロス・ザ・スパイダーバース    邦題: スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース    原題: Spider-Man: Across the Spider-Verse   公開年: 2023年  収録時間: 140分  IMDb評点: 9.0  ジャンル: アニメーション、アクション、アドベンチャー、ファミリー、ファンタジー、SF   出演者: シャメイク・ムーア、ヘイリー・スタインフェルド、ジェイク・ジョンソン    監督: ホアキン・ドス・サントス、ケンプ・パワーズ、ジャスティン・K・トンプソン    概要: 『スパイダーマン:スパイダーバース』に続くアニメ版スパイダーマンの第2作目。第3作目の『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』とストーリーがつながっている ランクイン回数: 3回(6月18日時点) 以下のレビューは、「全米週末興収トップ10」の記事で紹介したIMDbレビューを転載したものです。 【その1】 「まず、これは2つに分かれた一本の大作の第1部だと知らなくてはいけない。ハリー・ポッターのスタイルだ。 ただし、劇場内の誰もが最後に怒りくるった点は異なる。タイトルに“パート1”とないからだと思う。 ストーリーに関し、じつはこれだけでは成り立っていないのだ。 (中略) 映像面についてだが、百聞は一見にしかず。 どのシーンでもたくさ…

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