映画『アッシュ(仮題)』  ―2025年全米興収トップランク作品(SF編1)―

             Amazon   Music           /           Ash                   邦題: アッシュ(仮題)      原題: Ash     公開年: 2025年    収録時間: 95分    IMDb評点: 5.8    ジャンル: ホラー、SF、スリラー     出演者: エイザ・ゴンザレス、アーロン・ポール、イコ・ウワイス      監督: フライング・ロータス      概要: 遠く離れたどこかの惑星で、仲間たちが殺されていることを突然知った宇宙飛行士が調査に乗り出す IMDbのレビューから6つ紹介します。 【その1】 「『遊星からの物体X』や『ピッチブラック』の感触が強い。 信ぴょう性のあるセット、衣装、小道具、そして背景のおかげで没入感のある雰囲気が出た。 演技は優秀であり、ホラーの要素は一流だ。 グロテスクな死体、残忍な殺害シーン、またハサミと火の独特な使い方が見どころである」 【その2】 「まるでビデオゲームの中にいる気分だ。 宇宙空間において独りで謎を解き明かすというアイデアは楽しいものだった」 【その3】 「広大で未知なる宇宙を探るのは、自分たちについて完全にわかっている場合であっても十分たいへんかもしれない。 それなのに自分がどこにいるのか、あるいはどうやってそこにたどり着…

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映画『ミッキー17』  ―2025年全米週末興収トップ10作品(SF編1)―

       Amazon  Poster     /     ミッキー17             邦題: ミッキー17      原題: Mickey 17     公開年: 2025年    収録時間: 137分    IMDb評点: 7.0    ジャンル: アドベンチャー、コメディ、ファンタジー、SF     出演者: ロバート・パティンソン、ナオミ・アッキー、スティーヴン・ユァン、トニ・コレット、マーク・ラファロ      監督: ポン・ジュノ      概要: 借金から逃げたい男が外宇宙での植民地事業に参加しようと、何度死んでもクローン技術で再生されてはたらく契約を結ぶ ランクイン回数: 3回(3月23日時点) IMDbのレビューから7つ紹介します。 【その1】 「現代の政治情勢、人間の貪欲さ、願望、科学の進歩によってもたらされる倫理上のジレンマ、地球外生命体と遭遇することの哲学的意味、さらには宗教的な探求までも織り交ぜた映画である」 【その2】 「優れたプロダクションデザインだ。背景やキャラの装備品が巧みにつくられていて、没入感あるSFムードを高めている」 【その3】 「クローンを不死の一形態として扱う映画もあるが、ここでは死は死であり、共有される記憶でも補えないことがはっきり描かれる」 【その4】 「複雑な登場人物たちが登場する。 …

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映画『スリングショット(仮題)』  ―2024年全米興収トップランク作品(スリラー編4)―

            Amazon   Music         /         Slingshot                  邦題: スリングショット(仮題)      原題: Slingshot     公開年: 2024年    収録時間: 108分    IMDb評点: 5.8    ジャンル: SF、スリラー     出演者: ケイシー・アフレック、ローレンス・フィッシュバーン、エミリー・ビーチャム      監督: ミカエル・ハフストローム      概要: 資源採取のために土星の衛星タイタンへ向かっていた宇宙船の中で、船体に原因不明の損傷が発生したことをきっかけに乗組員同士が衝突するようになる IMDbのレビューから4つ紹介します。 【その1】 「人間心理を利用した純粋なSFである。最後にいくつかのどんでん返しがある。 着くまでは行き先がほんとうにわからないタイプの映画だ」 【その2】 「ひねりにひねった話だが、インパクトをなくさずに15分か20分は短縮できそうだ。 主役の3人が抜群の演技を見せてはいても繰り返しの多い内容である。中盤はほんとうにだるい。 一方ずっと考えさせられるのもたしかで、結末には極度の迫力と緊張がある」 【その3】 「宇宙を舞台とするSFスリラーの多くは、誰が悪者かや何がおもな事態かは観客にとってたいてい一目瞭…

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映画『ボーダーランズ』  ―2024年全米週末興収トップ10作品(アクション編16)―

          Amazon    Music         /         Borderlands                邦題: ボーダーランズ      原題: Borderlands     公開年: 2024年    収録時間: 101分    IMDb評点: 4.3    ジャンル: アクション、アドベンチャー、コメディ、SF、スリラー     出演者: ケイト・ブランシェット、ケヴィン・ハート、ジャック・ブラック、エドガー・ラミレス、ジェイミー・リー・カーティス      監督: イーライ・ロス      概要: 悪名高い賞金稼ぎがはみ出し者のチームとともに宇宙の命運がかかる少女を捜索する。同名人気ゲームシリーズの映画化 ランクイン回数: 2回 IMDbのレビューから3つ紹介します。 【その1】 「ゲームのシリーズのことは上っ面しかしらない。それでも過去15年にわたって積み重ねてきた人気は百も承知している。 SFウェスタンという舞台のなかで展開するこのゲームはプレーヤーの高い関心を集めつづけてきた。 そのわけは、独特のアートスタイル、一人称視点シューティングゲームであり協力型ゲームであること、そしてひねりの効いたユーモアにある。 シンプルに同じタイトルがつけられたこの映画化作品では、多くの人にこよなく愛されてきた要素がほとんどない。 見る価値のあるおもしろさがまるでないの…

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映画『マッドマックス:フュリオサ』  ―2024年全米週末興収トップ10作品(アクション編13)―

Amazon Poster / マッドマックス:フュリオサ      邦題: マッドマックス:フュリオサ      原題: Furiosa: A Mad Max Saga     公開年: 2024年    収録時間: 148分    IMDb評点: 7.8    ジャンル: アクション、アドベンチャー、SF、スリラー     出演者: アニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワース、トム・バーク      監督: ジョージ・ミラー      概要: 「マッドマックス」シリーズの5作目。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に登場した女戦士フュリオサの前日譚 ランクイン回数: 3回(6月9日時点) IMDbのレビューから5つ紹介します。 【その1】 「『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に勝とうとするなど愚行だろう。本作にはそうしようとしない賢さがある。 完全に違う構造の映画で、まったく単独のストーリーを語る前日譚になっていた。その一方で独自の世界観をもつ『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を高めてもいる。 このスケールでジョージ・ミラーは荒れ地の物語をまだやれている。紛れもなく才能があるということだ」 【その2】 「最低限のせりふでありながらもフュリオサ役の少女はすごい仕事をした! 最高だった! ディメンタスをやったクリス・ヘムズワースはおかしく、怖く、そして……いかれていた(…

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映画『猿の惑星/キングダム』  ―2024年全米週末興収トップ10作品(アクション編12)―

   Amazon  Poster   /   猿の惑星 キングダム         邦題: 猿の惑星/キングダム      原題: Kingdom of the Planet of the Apes     公開年: 2024年    収録時間: 145分    IMDb評点: 7.2    ジャンル: アクション、アドベンチャー、SF     出演者: オーウェン・ティーグ、フレイヤ・アーラン、ケヴィン・デュランド、ウィリアム・H・メイシー      監督: ウェス・ボール      概要: 「猿の惑星」シリーズの10作目。前作『猿の惑星: 聖戦記』の300年後が描かれる ランクイン回数: 3回(5月26日時点) IMDbのレビューから4つ紹介します。 【その1】 「どの続編も最初から予定されたものでなかったあの5部作とは違う。 これは明らかに新たな“第1章”としてできており、今後の続編で大きな特徴となる要素を時間をかけて取り入れている。 シリーズ第一作目に少しあったセンス・オブ・ワンダーが何度となく呼び起こされる。特定の映像、音楽、テーマの面でそんな感触がたくさんある。 1970年代のテレビシリーズや当時のコミックス版の一部からもはっきり影響を受けている。 ただし、「ロード・オブ・ザ・リング」を継ぐ紛れもない大作でもある。 アクションや旅におけるさまざまなシーンにおいて同作の影響が現れてい…

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映画『デューン 砂の惑星 PART2』  ―2024年全米週末興収トップ10作品(SF&ファンタジー編2)―

     Amazon  Book    /    ドゥニ・ヴィルヌーヴの世界           邦題: デューン 砂の惑星 PART2      原題: Dune: Part Two     公開年: 2024年    収録時間: 166分    IMDb評点: 8.9    ジャンル: アクション、アドベンチャー、ドラマ、SF     出演者: ティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソン、その他(スター山盛り)      監督: ドゥニ・ヴィルヌーヴ      概要: SF大河小説『デューン砂の惑星』の映画化作品。『DUNE/デューン 砂の惑星』の続編 ランクイン回数: 3回(3月17日時点) IMDbのレビューから3つ紹介します。 【その1】 「『ゲーム・オブ・スローンズ』の大ファンとして言う。このレベルの世界観の構築と壮大さに出会ったのは久しぶりだ。 微妙なうまさや伏線をより味わえるよう前作の再鑑賞を強くすすめたい。 が、必ずしもそうする必要があるわけではない。 独立性の高い本作だ。3年前に前作を見ているだけの一般客であっても満足するだろう」 【その2】 「熱狂的な映画ファンとしてたくさんの作品を見てきた。 多くは凡作だ。駄作も多い。少し良作があり、たまに名作がある。ただ私は名作という言葉はほとんど使わない。 本作は名作以上だった。『オッペンハイマ…

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映画『I.S.S.(仮題)』  ―2024年全米週末興収トップ10作品(SF&ファンタジー編1)―

     Amazon   Calendar     /     国際宇宙ステーション           邦題: I.S.S.(仮題)      原題: I.S.S.     公開年: 2023年    収録時間: 95分    IMDb評点: 5.3    ジャンル: SF、スリラー     出演者: アリアナ・デボーズ、クリス・メッシーナ、ジョン・ギャラガー・Jr      監督: ガブリエラ・カウパースウェイト      概要: 地上で世界的規模の紛争が勃発したあおりで、国際宇宙ステーション上の米ロの飛行士たちがそれぞれの自国からステーションを掌握するよう命じられる ランクイン回数: 1回 IMDbのレビューから3つ紹介します。 【その1】 「最近のあまりに多くのSF映画が、私にリドリー・スコットの『エイリアン』やジョン・カーペンターの『遊星からの物体X』を思い出させるのはなぜなのか? 巻きこまれる人々にやってくる破滅の展開が過度の緊張を生むのかもしれない。 あるいはグループの強さと彼らが個々にどう“危険の種”に対処していくのか、という点にあるのかも。 別の言い方をすれば、妙なことが起きたときに誰を信用できるのか、だ。 本作にはそのすべてがある。それどころかやばいほど夢中になれる。 私同様に、実際の国際宇宙ステーションが夕暮れの空を横切るのを見ようとよく足を止める人なら、おそらくはこの映…

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映画『ザ・クリエイター/創造者』  ―2023年全米週末興収トップ10作品(SF&ファンタジー編8)―

     Amazon   Book    /    The  Art  of  The Creator           邦題: ザ・クリエイター/創造者      原題: The Creator     公開年: 2023年    収録時間: 133分    IMDb評点: 7.1    ジャンル: アクション、アドベンチャー、ドラマ、SF、スリラー     出演者: ジョン・デヴィッド・ワシントン、ジェンマ・チャン、渡辺謙      監督: ギャレス・エドワーズ      概要: 人類とAIロボットによる戦争のさなか、元特殊部隊員の兵士が高度AIの設計者“ザ・クリエイター”を殺す任務を与えられる ランクイン回数: 3回(10月15日時点) IMDbのレビューから3つ紹介します。 【その1】 「人間とAIロボットが対立する未来の社会でストーリーは展開する。紛争はAI側がロサンゼルスに100万人の命を奪う核攻撃を仕掛けたことで引き起こされた。 かつてAIロボット軍のリーダーをしとめる役を担った男がいた。秘密の任務を行っている最中に、男は妻と子を失う大打撃を受ける。 政府は妻と再会させるという約束で、最後の一回となる任務遂行のチャンスを提示する。はやる思いで彼は過去の過ちを正す機会を受けいれる。 (中略) 展開が『ブレードランナー』に強烈に似ている。 一方、ひとつだけ注目に値する意外性がありな…

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映画『65/シックスティ・ファイブ』  ―2023年全米週末興収トップ10作品(アクション編3)―

    Amazon   Music     /     65 シックスティ・ファイブ          邦題: 65/シックスティ・ファイブ      原題: 65     公開年: 2023年    収録時間: 93分    IMDb評点: 5.7    ジャンル: アクション、アドベンチャー、ドラマ、SF、スリラー     出演者: アダム・ドライバー、アリアナ・グリーンブラット      監督: スコット・ベック、ブライアン・ウッズ      概要: 6500万年前、当時の地球に別の星の宇宙船が墜落し、生き残ったパイロットと少女の2人が脱出の望みを抱きながら恐竜の地を行くことになる ランクイン回数: 3回(3月26日時点) 以下のレビューは、「全米週末興収トップ10」の記事で紹介したIMDbレビューを転載したものです。 【その1】 「宇宙船のパイロットの話だ。 調査航海中の船が予期せぬ小惑星帯に出くわし6500万年前の地球に墜落する。英語を話せないひとりの少女を除き搭乗者はほとんど死んでしまう。 パイロットと少女は帰還の望みをかなえてくれそうな救助ポッドを探しながら地上でなんとかやっていこうとする。 (中略) 終始興味を引くストーリー展開といえる。ちょっと惜しいが。 主役2人の演技や相性は申し分ない。 特殊効果はすぐれており、同じ恐竜ものである「ジュラシック・パーク」のシリーズ作の…

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映画『アバター: ウェイ・オブ・ウォーター』  ―2023年全米週末興収トップ10作品(SF&ファンタジー編1)―

 Amazon Book  /  アバター: ウェイ・オブ・ウォーター       邦題: アバター: ウェイ・オブ・ウォーター      原題: Avatar: The Way of Water     公開年: 2022年    収録時間: 192分    IMDb評点: 7.9    ジャンル: アクション、アドベンチャー、ファンタジー、SF     出演者: サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、スティーヴン・ラング、ケイト・ウィンスレット      監督: ジェームズ・キャメロン      概要: 豊かな自然をもつ星の民族と地球人との戦争を描いた大ヒット作の続編。主人公の子どもたちや海の風景が見どころになっている ランクイン回数: 3回(1月1日時点) 以下のレビューは、「全米週末興収トップ10」の記事で紹介したIMDbレビューを転載したものです。 【その1】 「ストーリーに関しては第一作目よりもややましだと思う。前作は引っかかる人もいたようなストーリーだった。 むしろジェームズ・キャメロンが批判されるとすれば、自分自身からの借用が多すぎることかもしれない。 子どものキャラの導入は『エイリアン2』や『ターミネーター2』を思わせた。 また『タイタニック』『アビス』『ターミネーター』を見た人なら、アクションシーンにちょっと覚えのある箇所があるだろう。 少し陳腐なせりふがある…

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青猫ファンによる怒りの大反撃!  ―『アバター』の海外レビューは叫ぶ(後編)―

          Amazon     Music         /         アバター              邦題: アバター    原題: Avatar   公開年: 2009年  収録時間: 162分 IMDb評点: 7.8  私的評価: 8.7  ジャンル: アクション、アドベンチャー、ファンタジー、SF   出演者: サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、スティーヴン・ラング    監督: ジェームズ・キャメロン    概要: 宇宙のある星に資源開発の仕事で赴いた元海兵隊員が、先住民族の理解を得るために彼らとそっくりな人工生命体に意識を移し交流する 最初にIMDbのレビューを紹介します。 その後にコメントを記しました。 全2回のうちの2回目です。 IMDbレビュー『アバター再考』より (2020年5月24日の投稿) 「もちろん、われらがヒーローのジェイクとネイティリは複雑きわまるタイプのキャラじゃない(といっても、2人とも本作をきわめて意地悪く中傷する者が言うほどつまらなくもない)。 でもそれは映画のおもな焦点がじつのところ彼らにはないからだ。 『アバター』のほんとうの主役、いうなれば真のスターはパンドラだ。 ほんとうに重要なのはジェイクの目を通してわれわれが体験できるその世界なのだ。 映画はまっすぐ観客の感性を狙ってる。 おまえらオ…

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青猫ファンによる怒りの大反撃!  ―『アバター』の海外レビューは叫ぶ(前編)―

          Amazon     Music         /         アバター              邦題: アバター    原題: Avatar   公開年: 2009年  収録時間: 162分 IMDb評点: 7.8  私的評価: 8.7  ジャンル: アクション、アドベンチャー、ファンタジー、SF   出演者: サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、スティーヴン・ラング    監督: ジェームズ・キャメロン    概要: 宇宙のある星に資源開発の仕事で赴いた元海兵隊員が、先住民族の理解を得るために彼らとそっくりな人工生命体に意識を移し交流する 最初にIMDbのレビューを紹介します。 その後にコメントを記しました。 全2回のうちの1回目です。 IMDbレビュー『アバター再考』より (2020年5月24日の投稿) 「映画オタクの仲間内で『アバター』をこき下ろすようになったのはいつ頃だったか。 公開時じゃなかった。 だってサークルの映画ファンのほとんどが何度も見に行ってそれでも満足しなかったんだから。 今だからわかることだけど、あらゆる人が、それこそそのおばあちゃんたちまでもが見てたような、そのあたりだったんじゃないか。 どうしたわけか、映画が史上最高のヒット作(インフレ調整なしで)になってしまうと、ジェームズ・キャメロンのこの華やかなエ…

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映画『ムーンフォール』  ―2022年全米週末興収トップ10作品(SF&ファンタジー編2)―

  Amazon  Poster  /  ムーンフォール        邦題: ムーンフォール      原題: Moonfall     公開年: 2022年    収録時間: 130分    IMDb評点: 5.3    ジャンル: アクション、アドベンチャー、SF     出演者: ハル・ベリー、パトリック・ウィルソン、ジョン・ブラッドリー      監督: ローランド・エメリッヒ      概要: 謎の力によって地球へ衝突しようとする月に、宇宙飛行士たちと陰謀論者が立ち向かう ランクイン回数: 2回 以下のレビューは、「全米週末興収トップ10」の記事で紹介したIMDbレビューを転載したものです(【その3】のみ追加分)。 【その1】 「見ながらさまざまな映画からのパクリに気づくばかりだった。いろいろとある。 映画の出来が良いならそれでもかまわない。あるいは模倣が映画のその場面にふさわしいのであれば。 ところが本作は出来が悪く、全体が模倣でできているようだった」 【その2】 「ばか笑いしつつ顔を手で覆いゼーゼー言ってしまった。 そしてやっと落ち着いたときにハッと気づいた。 この映画は、かるいアクションスリラーとしてでなくコメディ調のドタバタ劇として見ることを観客に求めているのだと」 【その3】 「ローランド・エメリッヒ監督のディザスター映画を見ているなら思っ…

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映画『マトリックス レザレクションズ』  ―2022年全米週末興収トップ10作品(SF&ファンタジー編1)―

   Amazon  Video   /   マトリックス レザレクションズ         邦題: マトリックス レザレクションズ      原題: The Matrix Resurrections     公開年: 2021年    収録時間: 148分    IMDb評点: 5.7    ジャンル: アクション、SF     出演者: キアヌ・リーブス、キャリー=アン・モス      監督: ラナ・ウォシャウスキー      概要: コンピュータが支配する仮想現実の世界から人類を救おうとする物語の第4作目 ランクイン回数: 4回 以下のレビューは、「全米週末興収トップ10」の記事で紹介したIMDbレビューを転載したものです。 【その1】 「これは、『マトリックス』のストーリーに加えるものが何もない事実を隠すためにアクション(ひどいものだが)に頼ろうとした作品だ。しかもストーリー、アクションともに恥ずかしいばかりの出来だ。 10点満点なら5点である。ただキアヌ・リーブスが出演しているから入れる点数だ。なぜ出る気になったのかわからないが彼はいた。ベストの演技とは思わない。でも、たしかに彼はそこにいた」 【その2】 「ざっくり言って最初の50分間はあまりに退屈であきらめそうになった。それでもなんとか見続けた。 (中略)その50分のあたりでアクションシーンがあるのだが、そのあとまたクソつまら…

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映画『マトリックス』のレビューにもっとうろたえる  ―アンチによる意外にも理解できる不満の数々―

   Amazon  Steelbook   /   マトリックス         邦題: マトリックス    原題: The Matrix   公開年: 1999年  収録時間: 136分  IMDb評点: 8.7  私的評価: 8.5  ジャンル: アクション、SF   出演者: キアヌ・リーブス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モス、ヒューゴ・ウィーヴィング    監督: ウォシャウスキー兄弟    概要: 自分が生きてきた世界はコンピュータによる仮想空間だったことを知った男が、人類の救世主として立ち上がる 最初にIMDbのレビューを紹介します。 その後でコメントを記しました。 IMDbレビューより(2003年4月の投稿) 「大好きになるか、大嫌いになるかのどちらかだな……自分は大嫌いだ! ちょっと教えてほしいもんだ……効果的なストーリーテリングをまるで知らない大勢のコンピューターおたくを部屋に押し込んで映画をつくらせたらどんなもんになるか?ってことを。 それがこの『マトリックス』なんだよ。 こんな映画はほんとうに嫌いだ……わけを知りたいか? 何の意味もないからだ。 ステロイドぶちこんだ『ゾルタン★星人』(注:2000年にアメリカで公開されたおバカなSFコメディ映画)みたいなもんだ……それをよりうるさく、よりけばけばしくしてるだけさ。 なのにちっともお…

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映画『マトリックス』のレビューにうろたえる  ―ファンによる意外な不満の数々―

   Amazon  Steelbook   /   マトリックス         邦題: マトリックス    原題: The Matrix   公開年: 1999年  収録時間: 136分  IMDb評点: 8.7  私的評価: 8.5  ジャンル: アクション、SF   出演者: キアヌ・リーブス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モス、ヒューゴ・ウィーヴィング    監督: ウォシャウスキー兄弟    概要: 自分が生きてきた世界はコンピュータによる仮想空間だったことを知った男が、人類の救世主として立ち上がる 最初にIMDbのレビューを紹介します。 その後でコメントを記しました。 IMDbレビューより(2021年4月の投稿) 「まず言っておきたいのは見て損のない映画であることだ。SF好きにはほんとうに楽しい。 それでもIMDbの人気ランキングでトップ20に入ったり、平均レイティングで8.7点になるほどの価値はないだろう。 おもしろくないことのひとつは、映画の原動力であるコンピューターシミュレーションのアイデアに目新しさがない点だ。これについては数々の理論がある。 また、構想がじつに単純で欠陥も多いストーリーだ。 選ばれし者であるネオの描き方も不正確である。ことさらの能力がある男には見えない。 戦闘の場面はまったくくだらないし長すぎる。うんざりで飛ばしたくな…

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映画『DUNE/デューン 砂の惑星』  ―2021年全米週末興収トップ10作品(SF&ファンタジー編5)―

Amazon Video / DUNE デューン 砂の惑星      邦題: DUNE/デューン 砂の惑星      原題: Dune: Part One     公開年: 2021年    収録時間: 155分   IMDb評点: 8.2    ジャンル: アクション、アドベンチャー、ドラマ、SF     出演者: ティモシー・シャラメ、レベッカ・ファーガソン      監督: ドゥニ・ヴィルヌーヴ      概要: 人間に特殊能力を与えるスパイスと巨大な砂虫が存在する砂漠の惑星で重厚かつ壮大なドラマが展開する ランクイン回数: 8回(12月12日時点) 以下のレビューは、「全米週末興収トップ10」の記事で紹介したIMDbレビューを転載したものです。 【その1】 「鑑賞中は原作本のことを忘れてくれ。 原作の『デューン』は登場人物たちの思考や内面の感情に基づいて進んでいたが、それらは語られないままだ。映像面については、原作をある程度まで反映するのみといえる。 はっきりしているのは、このパート1がパート2への踏み石として役立っていることだ。盛り上がるのはこれからなのだ……アクションが欲しいならパート2こそ待ち望むべき映画である。それはたしかだ」 【その2】 「観客が望まないことがひとつある――あまりにこの世界の雰囲気に沈んでしまい、鑑賞後、現実に戻りたくなくなりそうなことだ」 …

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映画『日本沈没(1973年版)』の海外ファンによる「なるほど」な視点(その2)

  Amazon  Book   /   日本沈没・下巻      邦題: 日本沈没    英題: Submersion of Japan   公開年: 1973年  収録時間: 143分 IMDb評点: 5.5  私的評価: 8.8  ジャンル: アクション、ドラマ、SF、スリラー   出演者: 小林桂樹、丹波哲郎、藤岡弘、いしだあゆみ    監督: 森谷司郎、中野昭慶 『日本沈没(1973年版)』のIMDbレビューを紹介します。 【 】内はレビューのポイントです。 訳文の後にコメントを記しました。 今回は、少し批判があるものです。 書かれていないので不明ですが、おそらく完全版を見ている方だと思われます。 【ストーリーの展開に不満はあるが、特撮と丹波哲郎の演技はすごい】(2008年6月の投稿) 「(前略) 真の見せ場は映画がはじまって40分ほどでやってくる。 いきなり東京を襲い300万人以上を葬る地震が15分間続くのだ。 なんという死者数か! その数の大きさにおいてこれ以上の映画はないのではないか。 質の高いショットがたっぷりとある。製油所の爆発、自動車の事故、火事のなかを走りまわる人々の。 意外にも生々しい流血シーンすらある。ガラスの破片が一般市民に降りそそぐのだ。 この場面(全編でそうだが)をがっちりと支えるのが、冷静だが感情もあふれやすい首相役の…

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映画『日本沈没(1973年版)』の海外ファンによる「なるほど」な視点(その1)

  Amazon  Book   /   日本沈没・上巻      邦題: 日本沈没    英題: Submersion of Japan   公開年: 1973年  収録時間: 143分 IMDb評点: 5.5  私的評価: 8.8  ジャンル: アクション、ドラマ、SF、スリラー   出演者: 小林桂樹、丹波哲郎、藤岡弘、いしだあゆみ    監督: 森谷司郎、中野昭慶 『日本沈没(1973年版)』のIMDbレビューを紹介します。 【 】内はレビューのポイントです。 訳文の後にコメントを記しました。 【短縮されたアメリカ版は見るな】(2004年3月の投稿) 「1970年代のパニック映画ブームのあおりで、ロジャー・コーマンは日本が破壊される本作を輸入した。 彼は90分ほど切り落とし、ローン・グリーンをキャスティングし、だまされやすいアメリカ国民に押しつけた。 『風と共に去りぬ』が5分の3以上カットされながら残っていけるだろうか?(注:アメリカ版の本作は82分だから実際にカットされたのは約1時間) もしも運よくノーカットの日本版を目にできるなら、コーマンが当初奪ったとてつもないパニック映画の災害シーン以外にもお楽しみがある。 多くの興味深い社会問題を浮かび上がらせる作品でもあるのだ。 国が消滅するとわかったら、その国民をどうするか? 世界有数の経済大国が存在しなくなった…

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