映画『ターミネーター2』をまとめレビューで再発見する  ―名作の光と闇(SF編2)―

   Amazon  Video  /  ターミネーター2         邦題: ターミネーター2      原題: Terminator 2: Judgment Day     公開年: 1991年    収録時間: 137分    IMDb評点: 8.6    ジャンル: アクション、アドベンチャー、SF     出演者: アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン、エドワード・ファーロング、ロバート・パトリック、ジョー・モートン      監督: ジェームズ・キャメロン      概要: 機械軍に歯向かう人類のリーダーが少年時代の自分を守るため、敵のマシーンを改造して過去へ送りだす IMDbの上位レビューを生成AIを使ってまとめました。 はじめに、10点満点の評価を与えたレビューのまとめを紹介します。 そのあとで、1~3点を入れたレビューのまとめを紹介します。 ストーリーやキャラクターに説得力がないという批判が多くあります。 SFアクションですからそのあたりはご愛嬌で普通は済みそうなところですが、なにしろ前作がよくできていたものだから厳しい目が向けられやすいようです。 【内容】 アーノルド・シュワルツェネッガーが、少年ジョン・コナーを守るために未来から送り込まれたサイボーグとして再登場するアクション映画です。 新たな敵T-1000は液体金属でできており、シュワルツェネッガーの演じ…

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映画『ターミネーター』をまとめレビューで再発見する  ―名作の光と闇(SF編1)―

    Amazon  Video   /   ターミネーター          邦題: ターミネーター      原題: The Terminator     公開年: 1984年    収録時間: 107分    IMDb評点: 8.1    ジャンル: アクション、アドベンチャー、SF     出演者: アーノルド・シュワルツェネッガー、マイケル・ビーン、リンダ・ハミルトン      監督: ジェームズ・キャメロン      概要: 未来の地上を支配するコンピュータシステムが、人間側の救世主を産むことになる女性を殺すため、過去の世界へ強力な暗殺マシーンを送りこむ IMDbの上位レビューを生成AIを使ってまとめました。 はじめに、10点満点の評価を与えたレビューのまとめを紹介します。 そのあとで、1~5点を入れたレビューのまとめを紹介します。 誰もが認める名作だけあって低評価者が非常に少ない状況です。 ホラーとして見る人も多いようですが、言うまでもなくこの映画にはロマンスの要素もあります。 しかもそれがただのおまけでなく、全体の構想にがっちりかかわっている点がすごいところです。 本格的なSFであり、本格的なアクションであり、本格的なホラーであり、本格的なロマンスでもある―― 最強です。 【テーマとストーリー】 スカイネットという人工知能が人類に対して核戦争を引き起こします。 …

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映画『アビス』は今、どう見られているのか?  ―人気作の現在地(スリラー編1)―

         Amazon  Video       /       アビス             邦題: アビス    原題: The Abyss   公開年: 1989年  収録時間: 140分  IMDb評点: 7.5  私的評価: 6.9  ジャンル: アドベンチャー、ドラマ、ミステリー、SF、スリラー   出演者: エド・ハリス、メアリー・エリザベス・マストラントニオ、マイケル・ビーン    監督: ジェームズ・キャメロン    概要: 軍に協力して原潜事故の調査をしていた民間の石油採掘業者が深海で未知の生命体と出会う 2024年以降に投稿されたIMDbレビューから10本紹介します。 そのあとにコメントを記しています。 【これを見れば……】 「『アビス』を見れば、『ターミネーター2』の革命的な液体金属ターミネーターへいたる技術の始まりと、『タイタニック』につながる水中撮影の下地がわかる」 【おなじみのあのテーマが……】 「『地球の静止する日』や『未知との遭遇』といった映画を見たことがあるなら、ある側面に気づくだろう。 とくに冷戦時代に見られた、人類がおかれた状態とコミュニケーションというおなじみのテーマがはっきりと存在し、よく伝わってくるのだ」 【古い映画ながら……】 「宇宙人たちによるいちゃつくようなコミュニケーションの試みもじつによくできていて、古い…

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映画『エイリアン2』は今、どう見られているのか?  ―人気作の現在地(SF編3)―

        Amazon  Video      /      エイリアン2            邦題: エイリアン2    原題: Aliens   公開年: 1986年  収録時間: 137分  IMDb評点: 8.4  私的評価: 9.3  ジャンル: アクション、アドベンチャー、ホラー、SF、スリラー   出演者: シガニー・ウィーバー、マイケル・ビーン、キャリー・ヘン、ランス・ヘンリクセン、ビル・パクストン    監督: ジェームズ・キャメロン    概要: エイリアンがいた星に入植した者たちとの連絡が途絶えたことで、地球から植民地海兵隊と前作で生き残った航海士リプリーが調査に向かう 2024年以降に投稿されたIMDbレビューから10本紹介します。 そのあとにコメントを記しています。 【できれば……】 「可能であれば常にディレクターズカット版(スペシャルエディション)を見てほしい。もっと惚れこむ。 どんなSFファンも見るたびによだれを垂らしてしまうだろう……」 【こんな自分に驚く……】 「何度繰り返し見てもまだ驚かされる。 スタジアムのフットボールファンのように喝采を送れることに。 リング脇のボクシングファンのように飛び上がれることに。 クイーンの巣に近づく海兵隊員のように毒づけることに。 ロボットみたいな非常に空想的なスーツのなかで、リプリーが狡猾な怪…

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映画『アバター: ウェイ・オブ・ウォーター』  ―2023年全米週末興収トップ10作品(SF&ファンタジー編1)―

 Amazon Book  /  アバター: ウェイ・オブ・ウォーター       邦題: アバター: ウェイ・オブ・ウォーター      原題: Avatar: The Way of Water     公開年: 2022年    収録時間: 192分    IMDb評点: 7.9    ジャンル: アクション、アドベンチャー、ファンタジー、SF     出演者: サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、スティーヴン・ラング、ケイト・ウィンスレット      監督: ジェームズ・キャメロン      概要: 豊かな自然をもつ星の民族と地球人との戦争を描いた大ヒット作の続編。主人公の子どもたちや海の風景が見どころになっている ランクイン回数: 3回(1月1日時点) 以下のレビューは、「全米週末興収トップ10」の記事で紹介したIMDbレビューを転載したものです。 【その1】 「ストーリーに関しては第一作目よりもややましだと思う。前作は引っかかる人もいたようなストーリーだった。 むしろジェームズ・キャメロンが批判されるとすれば、自分自身からの借用が多すぎることかもしれない。 子どものキャラの導入は『エイリアン2』や『ターミネーター2』を思わせた。 また『タイタニック』『アビス』『ターミネーター』を見た人なら、アクションシーンにちょっと覚えのある箇所があるだろう。 少し陳腐なせりふがある…

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青猫ファンによる怒りの大反撃!  ―『アバター』の海外レビューは叫ぶ(後編)―

          Amazon     Music         /         アバター              邦題: アバター    原題: Avatar   公開年: 2009年  収録時間: 162分 IMDb評点: 7.8  私的評価: 8.7  ジャンル: アクション、アドベンチャー、ファンタジー、SF   出演者: サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、スティーヴン・ラング    監督: ジェームズ・キャメロン    概要: 宇宙のある星に資源開発の仕事で赴いた元海兵隊員が、先住民族の理解を得るために彼らとそっくりな人工生命体に意識を移し交流する 最初にIMDbのレビューを紹介します。 その後にコメントを記しました。 全2回のうちの2回目です。 IMDbレビュー『アバター再考』より (2020年5月24日の投稿) 「もちろん、われらがヒーローのジェイクとネイティリは複雑きわまるタイプのキャラじゃない(といっても、2人とも本作をきわめて意地悪く中傷する者が言うほどつまらなくもない)。 でもそれは映画のおもな焦点がじつのところ彼らにはないからだ。 『アバター』のほんとうの主役、いうなれば真のスターはパンドラだ。 ほんとうに重要なのはジェイクの目を通してわれわれが体験できるその世界なのだ。 映画はまっすぐ観客の感性を狙ってる。 おまえらオ…

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青猫ファンによる怒りの大反撃!  ―『アバター』の海外レビューは叫ぶ(前編)―

          Amazon     Music         /         アバター              邦題: アバター    原題: Avatar   公開年: 2009年  収録時間: 162分 IMDb評点: 7.8  私的評価: 8.7  ジャンル: アクション、アドベンチャー、ファンタジー、SF   出演者: サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、スティーヴン・ラング    監督: ジェームズ・キャメロン    概要: 宇宙のある星に資源開発の仕事で赴いた元海兵隊員が、先住民族の理解を得るために彼らとそっくりな人工生命体に意識を移し交流する 最初にIMDbのレビューを紹介します。 その後にコメントを記しました。 全2回のうちの1回目です。 IMDbレビュー『アバター再考』より (2020年5月24日の投稿) 「映画オタクの仲間内で『アバター』をこき下ろすようになったのはいつ頃だったか。 公開時じゃなかった。 だってサークルの映画ファンのほとんどが何度も見に行ってそれでも満足しなかったんだから。 今だからわかることだけど、あらゆる人が、それこそそのおばあちゃんたちまでもが見てたような、そのあたりだったんじゃないか。 どうしたわけか、映画が史上最高のヒット作(インフレ調整なしで)になってしまうと、ジェームズ・キャメロンのこの華やかなエ…

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映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』  ―大炎上の新作! もうたいへん!―

アマゾン・ポスター「ターミネーター:ニュー・フェイト」   邦題: ターミネーター:ニュー・フェイト   原題: Terminator: Dark Fate  公開年: 2019年 収録時間: 128分 IMDb評点: 6.5 ジャンル: アクション、アドベンチャー、SF  出演者: リンダ・ハミルトン、アーノルド・シュワルツェネッガー、マッケンジー・デイヴィス   監督: ティム・ミラー  IMDbのレビューが炎上している! アンチだらけ! 暴動暴発暴風雨レビューがチョウのように舞いハチのように刺しまくっている! どういうことかというと、あからさまな反男性、反白人、親移民の超リベラル映画らしく、それを嫌う人たちが爆発しまくっているのである。 反トランプの映画なのかもしれない。 が、レビュアーたちの不満はストーリーやCG過多な映像へも向けられている。 ここまでアンチレビューのオンパレードだと気になる。 前作がつまらなかったのでシリーズへの興味を失っていたが、逆に見たくなってきた。 以下おもなものを紹介するが、こーゆーのが延々と書き連ねられているのであ~る! 「何だこりゃ。最初の5分間でT1とT2をぶち壊してしまってるじゃないか。残りは流行のポリティカル・コレクトネス(PC)を振り回すばかりだ。やめてくれ。とにかくやめてくれ。頼むから……」 「人種の多様性とフェミニズムを伴っ…

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映画『Cowspiracy: サステイナビリティ(持続可能性)の秘密』  ―なぜ、ジェームズ・キャメロンは『アバタ…

アマゾン・本「Cowspiracy: The Sustainability Secret」   邦題: Cowspiracy: サステイナビリティ(持続可能性)の秘密   原題: Cowspiracy: The Sustainability Secret  公開年: 2014年 収録時間: 90分 IMDb評点: 8.3 私的評価: 7.0 ジャンル: ドキュメンタリー   監督: キップ・アンデルセン、キーガン・クーン ヴィーガン(完全菜食主義者)が肉食を嫌う理由には動物愛護や健康だけでなく、環境保護もあることを知ってはいた。 が、「もある」どころか、それこそが肉食をやめるべき最大のポイントであるとガツンガツン訴えるドキュメンタリーである。 おもな点は序盤で語られている(ネット配信の字幕版から引用)―― アンデルセン監督「国連の報告だと温室効果ガスの排出量は、運輸関係よりも畜産関係のほうが多いらしい。家畜が大量のメタンを排出しているのだ。その後も調査を続けて分かった。家畜は地球温暖化の主要因なだけでなく、環境破壊につながる資源消費の最先鋒だったのだ」 ガスの問題以外に、飼料の生産に必要な分も含め畜産には大量の水が消費されるという―― 同上「ハンバーガー1個を作るのに2500リットルが使われるのだ。家庭での水使用は国内(アメリカ)の全使用量の5%。一方畜産では55%に及ぶ」 森林減少の原因にもなっている―…

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映画『エイリアン2』  ―エイリアン・クイーンになって楽しむ!―

アマゾン・ポスター「エイリアン2」   邦題: エイリアン2   原題: Aliens  公開年: 1986年 収録時間: 137分 IMDb評点: 8.4 ジャンル: アクション、アドベンチャー、SF、スリラー  出演者: シガニー・ウィーバー   監督: ジェームズ・キャメロン (ファン専用。つまりネタバレあり) 初めて見たときからずっと疑問だったのが、格闘するリプリーとエイリアン・クイーンがエアロックに落ち、その後リプリーがエアロックの外扉を開くレバーを引くところです。 自分の命だって危ないのに宇宙空間への扉を開いたわけです。 実際あのような状況だとどうなるのかわかりませんが、宇宙船内部から流れる強風に逆らってはしごを登ったりできるものなんですかね? それも自分を引っ張る重量級のクイーンをぶら下げながら……船内にいるニュートやビショップも吹き飛ばされるかもしれないのに……(ビショップはともかく(笑))。 しかし最近ノベライズ本を読み、やっと本来どういう場面なのか知ることができました。 本当はこうです―― 1.両者がエアロックに落ち、戦闘で傷ついたクイーンの体内より流れ出た酸で外扉が侵食される。 2.そのままだと扉が破れてしまうため、リプリーはエアロック内扉の緊急閉鎖ボタンを押して船内からの空気の流出を防ごうとする。 3.頭上の内扉が閉じ始めたが、閉じきる前にリプリーは上に戻らなくてはいけな…

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見える恐怖、見えない恐怖、微妙な恐怖  ―『エイリアン2』の海外レビューは語る―

アマゾン・DVD「エイリアン2」   邦題: エイリアン2   原題: Aliens  公開年: 1986年 収録時間: 137分 IMDb評点: 8.4 ジャンル: アクション、アドベンチャー、SF、スリラー  出演者: シガニー・ウィーバー   監督: ジェームズ・キャメロン IMDbレビューより 【その1】(2017年10月の投稿) 「SFホラー映画史上屈指の一本。疑う余地なく、紛れもなく、最も完璧に近いSFであり、この分野で今日まで並ぶものなどない名作だ。 SFと恐怖の組み合わせは必ずしも単純なことじゃない。とんでもなく信じ難い世界を生み出すには相当な知性や知識がいる。『エイリアン2』はそれを成し遂げてる。でも、怖いから名作なのか? 必要なのは未知なるものの感触、知らない何かがもたらす恐れだ。かつてラブクラフトが言ったように、人類最古の恐怖は未知の恐怖だから。 おそらく人が一生のうちで、見たことのない何かを前にして捕らわれた気持ちになる機会はまれだ。だが心配はご無用。本作で強烈にその気分を味わえる。 おっと! 話がもう一つあった。アクションはどれも最高だぞ。 スタン・ウィンストンによるクリーチャーの特殊効果は公開後数十年たった今でも優秀だ。怪物どもの動きは自然さと不自然さが申し分なく融合してる。そのおかげでいつ見たって不安を感じさせるんだよ」 【その2】(2017年7月の投稿) 「リプリーについて言うと、シガニ…

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映画『アビス』  ―二つで十分アーカイブ―

アマゾン・ポスター「アビス」   邦題: アビス   原題: The Abyss  公開年: 1989年 収録時間: 145分 IMDb評点: 7.6 ジャンル: アドベンチャー、ドラマ、SF、スリラー  出演者: エド・ハリス   監督: ジェームズ・キャメロン IMDbレビュー 「うーん、これはサイエンス(およびロジック)のないサイエンス・フィクションだな。時には見たままを受け入れなきゃとは思うけど、今回はなあ……すべてにおいてロジックがないんだよ。 スタニスワフ・レムはかつてこう言った――『SFの要素を取り除いてしまったら必ずプロットが損なわれる、そういうSFこそがSFといえるのだ』。この映画の場合、あっけなく取り除けるんじゃないかな。だってエイリアンたちはただの飾りなんだから。それにあまり驚きがないから、スリラーとしてはかなり退屈でやたらと長いんだよね」 「最高のサイエンス・フィクションだ。科学的事実に基づく空想科学になっている。これほど申し分ない作品だと欠点を見つけるのが難しいね。並ではない登場人物たちと演技、見事な編集とカメラワーク、それに一流の特殊効果。 単純なメッセージ同様、このプロットはしょっちゅう目にするものだ。ただ1980年代の間、いきなり連続で上映されるようになった海中エイリアン映画の中では疑う余地なく最高の出来だよ。見た目は美しいし、エイリアンとの遭遇における宗教的意味合いも実にうまく伝えている。 わ…

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映画『アバター』  ―スター・ウォーズを参考に、続編について考えてみる―

アマゾン・DVD「アバター」   邦題: アバター   原題: Avatar  公開年: 2009年 収録時間: 162分 IMDb評点: 7.8 私的評価: 8.7 ジャンル: アクション、アドベンチャー、ファンタジー、SF  出演者: サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、スティーヴン・ラング   監督: ジェームズ・キャメロン 久々に見てみましたが、やはり面白いですね。 たっぷり3時間あるエクステンデッド・エディションでしたが、まったく飽きることがありません。 ビデオの特典や他の情報源で調べてみるととんでもない製作状況だったようですが、例えばこんな数字があります―― 「プリプロダクションからリリースまでにかかった期間は4年、製作費は2億8000万ドル」 「CG映像の一フレーム(24分の1秒分)のレンダリングに平均47時間を要した」(たった1秒に1128時間! 関係者はいったい何人いたんだろうか) 「ジェームズ・キャメロン監督は1999年に公開するつもりだったが、特殊効果にかかる費用が当時では4億ドルに達すると見込まれたため企画が棚上げになった」 大型の精密機械みたいな作品です。 メカのデザインなどは機械として製作・可動が可能であるもの、クリーチャーなら生物学的に不自然でないもの、といったちょっと信じ難いほどのこだわりですべてができているそうです。 衛星パンドラの先住民…

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映画『タイタニック』のせりふで“碧洋のハート”の真の意味を知る  ―せりふで遊ぶ(その25)―

アマゾン・DVD「タイタニック」   邦題: タイタニック   原題: Titanic  公開年: 1997年 収録時間: 194分 IMDb評点: 7.8 私的評価: 7.8 ジャンル: ドラマ、ロマンス  出演者: レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット   監督: ジェームズ・キャメロン 夏といえば海ってことで、今回はジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』です。 完全なネタバレになりますが、もはやネタバレとは無縁の映画でしょう。 紹介するのは、冷たい海に浸かり凍死間近になったジャック(レオナルド・ディカプリオ)が、木の板の上で横たわるローズ(ケイト・ウィンスレット)と最後の会話をするシーンです。 原文は以下のリンク先で読むことができます。 『タイタニック』のせりふ・原文(IMDbより) 参照したのはDVDです。 まずは字幕版からです―― 【字幕】ローズ: 「愛してるわ」 ジャック: 「よしてくれ。サヨナラを言うのは、まだ早い。いいね?」 ローズ: 「凍えそう」 ジャック: 「ローズ。必ず助かる。無事助かって、たくさんの子供を産む。彼らを育て、年をとって、温かいベッドで死ぬ。今夜、こんな所で死ぬんじゃない。いいね?」 ローズ: 「体の感覚がないわ」 *ジャック: 「船の切符は人生で最高の贈り物だった。それで君に会えた。天のお導きだ。感謝で一杯だ」 …

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映画『ターミネーター』のせりふで人類絶滅の真相に迫る  ―せりふで遊ぶ(その24)―

オールポスターズ「ターミネーター」   邦題: ターミネーター   原題: The Terminator  公開年: 1984年 収録時間: 107分 IMDb評点: 8.0 私的評価: 8.8 ジャンル: アクション、SF  出演者: アーノルド・シュワルツェネッガー、マイケル・ビーン、リンダ・ハミルトン   監督: ジェームズ・キャメロン 今回は『ターミネーター: 新起動/ジェニシス』の公開を記念して、第1作目の『ターミネーター』でいきます。 未来からやってきた兵士カイル・リースが守るべき女性のサラ・コナーに対し、殺人ロボットのターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)について説明するシーンのせりふです。 原文は以下のリンク先で読むことができます。 『ターミネーター』のせりふ・原文(IMDbより) 参照したのはブルーレイディスクです。 まずは字幕版からどうぞ―― 【字幕】サラ: 「リース。なぜ私が狙われるの?」 カイル: 「核戦争がある。今から数年後。ここも……街全体が壊滅してしまう。全滅だ。だが生存者も所々にいた。核戦争を始めたのは機械だった」 サラ: 「分からないわ」 カイル: 「防衛ネットワークコンピューターさ。新型の強力なやつ。すべてに接続され機能していた」 「それが思考力を持つようになって人間全体を敵と考えたんだ。一瞬で我々の運命が決まった。絶滅だよ」 …

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映画『ターミネーター』のシリーズと時代劇の関係

アマゾン・DVD「ターミネーター」 『ターミネーター』はまたまた続編が公開予定の人気シリーズですが、さすがに5作目となるともうずっこけるんじゃないかという気がして心配です。 パート1は言うまでもない大名作ですが、ターミネーターと戦うマイケル・ビーンによる「奴には取引も理屈も通用しない。同情も後悔も恐怖もない」というせりふが強く印象に残っています。 似たようなせりふが『エイリアン』シリーズの第一作目にもありました。 宇宙船乗組員の一人が、エイリアンのことを「生存のため、良心や後悔などに影響されることのない、完全生物だ」と称賛したシーンです。 さらに、最近話題になった本『なぜ時代劇は滅びるのか』(春日太一著・新潮新書)で挙げられていた、時代劇がつまらなくなった理由の一つを思い出します―― 「時代劇の場合、悪役の内面を描けば描くほど、物語の盛り上がりはなくなる」 「悪役が憎々しいまでに非道で、しかも強い、あるいは狡猾だからこそ、それに立ち向かう主人公に悲壮感が、ドラマに緊迫感が、そしてそれを倒すアクションに爽快感が生まれる」 ――春日氏は、今の時代劇は悪の側も丁寧に描き過ぎることでドラマの焦点が散漫になってしまっていると嘆いているのです。 その意味で、ターミネーターは理想的な悪ですね。 しかしその憎々しいまでに非道で強いターミネーターも、『ターミネーター2』においては人間を守る側についたことで人情味が生まれてしま…

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映画「蘇える金狼」と映画「トゥルーライズ」 ―女と乗り物にあふれる男の妄想!―

Amazonビデオ「蘇える金狼」   邦題: 蘇える金狼   英題: The Resurrection of the Golden Wolf  公開年: 1979年 収録時間: 131分 IMDb評点: 6.7 私的評価: 7.3 ジャンル: アクション、クライム、ドラマ、スリラー  出演者: 松田優作、風吹ジュン   監督: 村川透 アマゾン・DVD「トゥルーライズ」   邦題: トゥルーライズ   原題: True Lies  公開年: 1994年 収録時間: 141分 IMDb評点: 7.2 私的評価: 6.8 ジャンル: アクション、コメディ、スリラー  出演者: アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェイミー・リー・カーティス   監督: ジェームズ・キャメロン いいですね、「蘇える金狼」は。 ぜってーありえねーっていうストーリー! リアリティーなど皆無! もう完全にマンガ! 鬱屈したサラリーマンが夢のなかでみるようなお話!  しかし、なぜかときどきみたくなるんですねえ。 こんな内容でお金をいっぱいかけたら立派なアクション映画になるだろうな、と思ったら「トゥルーライズ」ってのがありました! どっちも色っぽい女優さんがでてますし、どっちもちょっとコミカルです。 邦画らしくウェットな…

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映画「エイリアン2」 ―宇宙海兵隊とイスラエル、そして、ノストロモ号と日本―

Amazonビデオ「エイリアン2」   邦題: エイリアン2   原題: Aliens  公開年: 1986年 収録時間: 137分 IMDb評点: 8.4 私的評価: 8.7 ジャンル: アクション、アドベンチャー、SF、スリラー  出演者: シガニー・ウィーバー、マイケル・ビーン、ランス・ヘンリクセン   監督: ジェームズ・キャメロン エイリアンのシリーズは基本的に全部好きなのですが、このパート2は公開時、映画館に3度も足を運んだほど好きな作品です。 内容については、有名な監督さんの有名な作品ですからいまさら語るまでもないほどですが、長く疑問に感じていたことがありました。 それは宇宙海兵隊についてです。軍隊なのに上下関係に緩い面があったり、主人公とはいえ民間人であるリプリーが部隊のリーダーとして活躍する内容に少し違和感があったのです。 SFアクションですからデタラメでいいとはいえ、アメリカ映画であることを考えると、こういった軍隊のえがきかたに問題はないのかな?と感じたわけです。 しかし、ある本を読んでその違和感がなくなりました。 それはイスラエルについて書かれたビジネス本なのですが、そのなかで同国と宇宙海兵隊についての興味深い共通点をみつけたのです(以下と同じことを、その本のアマゾンレビューでも書いています)。 イスラエルの軍隊は階級…

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映画「ターミネーター」 ―ハリウッド映画におよぶ永井豪のパワー―

オールポスターズ「ターミネーター」   邦題: ターミネーター   原題: The Terminator  公開年: 1984年 収録時間: 107分 IMDb評点: 8.0 私的評価: 8.8 ジャンル: アクション、SF  出演者: アーノルド・シュワルツェネッガー、マイケル・ビーン、リンダ・ハミルトン   監督: ジェームズ・キャメロン いうまでもないアクション映画の大傑作ですが、ブルーレイでひさしぶりにみてみました。 30年前の作品というのに、いやもうたいへんな高画質で最高に満足できましたね。はじめてみたときのそれに近いほどの感動がありました。 本作はビスタサイズであるためテレビ画面全体に映るわけですが、やっぱり上下に黒い帯が入っていないのは気分がいいものです。このサイズで高画質の作品をみると、ほんとうに映画に没入できます。 さて、この「ターミネーター」は、漫画家の永井豪による「黒の獅士」(1978~79年に「週刊少年マガジン」で連載)の影響を強く受けているといわれています。 しかし、はっきりとした証拠はないようです。おそらく、この話は永井豪自身によるある文章が元になっているのではないかと思われます。その一部を紹介します(1991年に書かれたものです)。  「キャメロンの出世作『ターミネーター』で、アーノルド・シュワルツェネッガー演じるサイボーグのあ…

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